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【秋田の激辛塩鮭】秒で白米が消えると話題の「ぼだっこ」こそ日本最強ごはんのとも! 驚くべきはそのしょっぱさよりも…

ロケットニュース24

「焼くと塩をふく」「ひとカケラでエンドレスに白米が食べられる」など、ときおりSNSで話題になる秋田名物ぼだっこ。お弁当やおにぎりでお馴染みの「塩鮭」のことだが、塩分濃度高めの激辛な味が特徴だという。

ファミリーマートでは秋田県限定で「ぼだっこおにぎり」が販売されていたり、魚をブロック状に切り分ける「秋田切り」「ぼだっこ切り」というさばき方があったりと、地域に深く根づいた食べ物らしい。恥ずかしながら初めて知った。

本当にそんなにしょっぱいのか。そしてなぜ、そんなにしょっぱいものがウケているのか。エンドレス白米とか大げさじゃないのか。真相を知りたいと、実際に現地で買って食べてみた。

・秋田市民市場でぼだっこをゲット

購入したのはこちら「秋田市民市場」だ。JR秋田駅から徒歩で10分足らず、昭和20年代から50年以上にわたって市民の胃袋を支えている。

ぼだっこの切り身や惣菜は県内のスーパーでも普通に売っていると聞いたが、日によって違うだろうし、確実性を求めるなら市場がよいと思う。全国に発送してくれる通販サイトもあり!

全国的に名の知れた観光市場とはまた違い、のんびりしたローカルな雰囲気。すべての店でぼだっこを扱っているわけではないものの、いくつか家庭向けの小売りパックも発見した。

「甘口」「中辛」「激辛」とレベルがあるらしいが、二幸カマタ食品にて「超激辛」と書かれた小売りパックをゲット。1パック700円ほどだった。

さっそく焼いてみよう! 見た目はごく普通の鮭の切り身だ。ブロック状のブツ切りにされていて、ツヤツヤした皮が美しい。

クッキングシートで包んで、レンジで2分ほどチン。ここは魚焼きグリルでもフライパンでもお好みで。

おわかりいただけるだろうか? まるでパーティー料理の塩釜焼きのように、シートにパラパラと塩のかたまりが落ちる

皮を見ても、ざらりと塩をふいているのがわかる。全体的に白い粉のようなもので覆われ、汗をかきすぎた夏の肌のよう。

「少しずつ食べること」「一気に口に入れない」などと各所で注意喚起されているので、ちょびっとだけ削って口にしてみる。

…………!

………………!!!

ごはっ、ごはっ、ごはん!

しかしこのとき、筆者はフライングしていた。ごはんが炊けるまであと(たぶん)20分くらい。思いのほか鮭が早く焼けたのだが、「まぁいっか」と考えなしに味見をしてしまったのだ……! 死ぬ、今すぐごはんがないと死ぬ……!!

脳天を突き抜けるようなしょっぱさ! 思わずテーブルをバンバン叩いてしまうほど味が濃い。ほんの数ミリのカケラなのに、大の大人を悶絶させる破壊力だ。塩の結晶のような、シャリッとした食感が歯に伝わる。

しかも……嘘だと思うだろうが、よく聞いて欲しい。

このカケラ、「しょっぱいだけじゃない」のだ……

塩分とともに、ジュワッと口中にあふれ出る旨み! 鮭の滋味で脳内がいっぱいになる。ゆえに欲しいのは「水」ではなく「白米」なのだ。オーバーに聞こえるかもしれないが、これまでの人生で食べた塩鮭のなかで一番美味しい。

飲食店で濃く煮詰まった味噌汁を口に含んでしまったときの、飲み込みづらいような、本能的に身体が拒絶するような、あの違和感がまったくない。むしろ「もっと!」「もっと!」と舌が求めてしまう。一度食べ始めると止まらなくなるような中毒性がある。

待望のごはんが炊けた。米の美味さを何倍にも引き立てるような完璧なマリアージュ。ひとカケラでどんぶり一杯は嘘ではない。

どんどん米が消える。大げさではなく、茶碗一杯のごはんを食べるのに、ぼだっこは2cm四方くらいで十分な感じ。どんだけコスパいいんだ!

秋田県は全国的にも食塩摂取量が多く、生活習慣病につながるということで、県をあげて減塩に取り組んでいる。しかし、こんなものあったら無限に食べちまうだろう!

同時に購入した「中辛」のほうは、焼いても塩をふかない。一般的な塩鮭という感じの、優しくまろやかな味だった。

また、レンジではなくフライパンでも焼いてみたものの、身に厚みがあって、完全に火が通るころには硬くなってしまったので、筆者はレンジでの蒸し焼きのほうが上手くいった。

余談だが、この日は「相っ当に喉が渇くだろうな」と覚悟して寝たのに、まったく渇きを感じなかった。むしろ外食帰りの夜のほうが喉が渇くくらい。知らずに材料に混ざっているよりも、表皮に染み出てくる塩だから、むしろコントロールしやすいかもしれない。

・日本最強「ごはんのとも」

食べ過ぎは禁物だけれど、その美味しさには度肝を抜かれた。魚の旨みが凝縮されているような、アミノ酸が四方八方に飛び回っているような、破壊的な美味しさだ。お酒のともにもいいのではないかと思う。グラスのふちに塩つけたりしないで、ぼだっこ食べたらいいよ。

思い出しただけで口の中にじわりとヨダレが出てくる。この世からすべての副菜がなくなっても、ぼだっこがあれば人類は生きていける。もはや各家庭に常備しておくべきレベル。米の高騰さえ収まってくれれば、間違いなく「ごはんのとも」界のスーパーヒーローだ。

参考リンク:秋田市民市場
執筆:冨樫さや
Photo:RocketNews24.

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