日本のメディアの変化とアメリカのメディアの変化。アメリカの方が少し早い変化が…?青木「SNSが出てきて旧来型のメディアが、影響力も経営的にも厳しくなっている」
11月29日(金)、お笑い芸人の大竹まことがパーソナリティを務めるラジオ番組「大竹まことゴールデンラジオ」(文化放送・月曜~金曜13時~15時30分)が放送。毎日新聞の「分断時代のメディア」という記事から津山恵子氏へのインタビューを取り上げを紹介し、大竹、青木理がコメントした。
ニューヨーク在住のジャーナリスト津山恵子氏へのインタビューを取り上げた。
「アメリカのテレビは有料のケーブルテレビや衛星放送が主流ですが、料金が高いため契約を打ち切る人が増え、伝統的なニュース番組を見る人も減ってきています。新聞も発行部数がどんどん減り、特にローカルな小さな新聞は読者に必要な情報を提供できなくあります。その結果、人々は無料のポッドキャストやYouTubeなど、SNSに向かっているのが実情です。たとえば、投開票10日前の10月25日にトランプ氏が単独出演した人気司会者のジョー・ローガン氏のポッドキャスト番組はYouTubeで11月18日時点でおよそ5000万回再生されています。ほぼ同時期に民主党のカマラ・ハリス副大統領もアメリカNBCテレビのバラエティー番組「サタデーナイトライブ」のコントに90秒間だけ出演しましたが、その部分を切り取ったYouTubeの再生回数は同じ時点でおよそ90万回でした。単純に比較はできませんが、1975年に始まった人気老舗番組の「サタデーナイトライブ」に出てもインパクトがなかったことがよくわかりました」
大竹「片っ方は5000万回。片っ方は90万回。まぁ随分の差が出ちゃうね」
壇蜜(パートナー)「テレビもう負けちゃってるじゃないですか?」
太田アナ(アシスタント)「負けちゃってますね」
青木理「でも、これもだからメディア環境の変化。つまりネットが出てきて、SNSが出てきて旧来型の新聞とかテレビ、ラジオもそうですけど、なかなか影響力も経営的にも厳しくなってくるというのは、世界中で起きてるんですけど、その流れはなかなか変えられないので、SNSをどうやって健全にしていくのかというのはもちろん必要なんですけど、ただアメリカでちょっと前に取材したことあるんですけれど、やっぱり日本よりも一周二周早くこういうことが起きています。たとえばニューヨークタイムズとかワシントンポストは英語のメディアなので、 むしろ紙のころよりも読者が増えているんですよ。要するに、かつてはニューヨークタイムズとかワシントンポストといってもしょせんワシントンとかニューヨークのローカル紙だったので、100万部あるかないかくらいだったんですね。ところが、英語なので、世界中から読者がくるから今は何百万部という購読者がいる。だからニューヨークタイムズとかワシントンポストなんかは比較的息を吹き返したんだけど、アメリカでもローカル紙、地域の新聞店は続々と潰れていったんです。で、その潰れていくところを見ていくと、当たり前ですけれど、地域の情報。たとえば行政の不正であったりとか、あるいは生活情報も含めてなくなっていってそうすると情報砂漠みたいになってしまうんです。それで何が起きるかというと、例えば市民運動とか地域のつながりみたいなものがどんどん切れていってしまうわけです。だから行政がどんどん腐敗していったりすることが起きている。だからやっぱりメディア環境の激変はあるんだけれども、やっぱり旧来型のメディアの重要性と、どうやってメディアという社会のインフラを維持していくのか本当に考えなくちゃいけない」