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カルビー（東京都千代田区）は6月9日、出社回帰の動きに対応するため、本社オフィスの拡張と再構築を行ったと発表した。コロナ禍以降に縮小していたオフィスを拡張し、執務席と会議室を増設。オフィス勤務者が安心して働けるよう、約700人の在籍者ほぼ全員が利用できる座席を確保した。

執務室と会議室を増設、ほぼ全員分の座席を確保

アフターコロナによる出社回帰、積極的なリアルコミュニケーションの活用などの状況を踏まえ、執務席と会議室を増設。約700人の本社在籍者ほぼ全員分の座席を確保した。

4月30日より入居を開始したのに合わせ、5月から、上司が必要とした際にはチームメンバーに出社を促し、対話を重視したリアルコミュニケーションをはかる「ハイブリッドワーク」を採用していることも明らかにした。各業務の性質や内容、生み出される成果から逆算して働き方を選択する。出社回数や在宅日数の制限は設けないとしている。

ハイブリッドワーク移行に伴い、出社回数に応じた柔軟な交通費支給制度も導入。1回あたりの実費往復分に出社日数を掛けた額を支給し、これまで設けていた1か月定期券相当額の上限は撤廃した。

積極的に出社してもスペースがない状況を解消、リモート前提から再リニューアル

同社は2017年に、利用日数や場所の制限のない「モバイルワーク制度」を導入。2020年の新型コロナウイルス感染拡大を機に、ニューノーマルの働き方として「Calbee New Workstyle」を採用し、モバイルワークを標準とした経緯がある。2021年9月には、本社オフィスを2フロアから1フロアに集約し、ソロワークや報告型会議など、リモート実施を前提とした環境にリニューアルしていた。

ところが、新型コロナの5類移行後に積極的な出社が増えると、執務席の空きが少なく右往左往する、全員出社でチームミーティングをしたくても、会議室やミーティングスペースが確保できないといった事態が発生。年間を通して出社頻度が極端に少ない社員も見受けられ、チーム内のコミュニケーションに支障をきたすケースが発生していた。

本社オフィスを増床するタイミングで、モバイルワークの標準化を撤廃。出社とモバイルワークを社員一人ひとりが自律的に選択できるようにした。791.73平方メートル増床したオフィスの設計には総務課メンバーが携わり、オフィス全体を見渡せるよう、背の低い家具を設置し、会議室は全てガラス張りにしたという。

所属長がOKなら遠隔勤務を認める申請制度を本格導入

また、社員が申請できる遠隔勤務制度（通称：スマートワーク）を本格導入した。所属長が許可すれば、出張先や最寄りの事業所を勤務地として選択できる。所属する組織の拠点に住居を構えることは求めず、社員の柔軟かつ適応力のある働き方をサポートする。

同社では社員の病気療養や死亡など、不測の事態が起こった際に家族を支援する制度も整えている。当メディアでは「Calbee New Workstyle」についても取り上げている。

厚生労働省の調査では、テレワークを導入する事業所は1割程度。2025年のオフィスデザインのトレンド予想では、これまで以上に居心地の良さや心理的安全性の確保が重視されると分析する。

発表の詳細は同社公式リリースにて確認できる。