左手のピアニストが奏でる新たな音楽の歴史 舘野泉、演奏生活65周年・卒寿記念コンサート開催
戦後のクラシック界を切り拓き、日本と世界を音楽で結ぶ架け橋として活躍してきたレジェンドピアニスト・舘野泉。2025年に演奏生活65周年、ならびに卒寿(数え年90歳)を迎えることを記念し、『舘野泉 卒寿記念コンサート』をサントリーホールにて開催することが決定した。
舘野泉は1936年東京生まれ。1960年に東京藝術大学を首席で卒業し、鮮烈なデビューを果たした。1964年からはフィンランドを拠点に、世界各国で演奏活動を展開。日本人ピアニストとして先駆的な存在となり、邦人作曲家の作品を積極的に世界に紹介するなど、日本のクラシック界の新たな扉を開き続けてきた。2002年、脳溢血により右半身不随となるも、その運命をしなやかに受け入れ、「左手のピアニスト」として奇跡の復帰を果たす。その後は、130曲を超える「左手の音楽」が彼のために世界中の作曲家から捧げられ、新たな音楽の歴史が舘野泉によって築かれた。
右手を失いながらも国内外での演奏を精力的に続け、聴く人々に感動と勇気を届けてきた舘野泉。2024年には88歳でインド・ブータン・ネパールを訪れ演奏を披露し、その挑戦は大きな話題となった。
今回の公演では、これまで舘野泉に捧げられた「左手の音楽」の傑作でプログラムを構成。ピアノソロでは、現代を代表する作曲家、マグヌッソン、ノルドグレン、ティエンスーによる名曲を披露する。さらに、国内トップクラスの金管奏者7名との共演で、エスカンデ作曲《奔放なカプリッチオ》も演奏予定だ。
『舘野泉 卒寿記念コンサート- 彼の音楽を彼が弾く -』は2025年11月2日(日)サントリーホールにて開催。