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運転手がいないレベル4の自動運転バスに乗ってみた!

TBSラジオ

今、羽田空港近くの、羽田イノベーションシティというところで、運転手のいないレベル4の自動運転バスが運行しているのをご存知でしょうか?こちらは、乗り合いバスとしては国内初のレベル4を取得したエリアで、10棟ほどの高いビルに、オフィスや飲食店、ホテルなどが入っており、そこを巡回する形で、レベル4のバスが運行しています。

運行している「BOLDLY」という会社は、これまでに全国の10地域で、レベル2での自動運転の実証実験を重ねてきましたが、この8月から、羽田イノベーションシティでは、今までのレベル2に加えて、レベル4の運行も始めたわけです。

新しい技術を搭載して、安全にレベル4を運行しています!

今回のレベル4のバスの運行について、「BOLDLY」の江森芳樹さんにお話を聞きました。

「BOLDLY」株式会社市場創生部事業開発課 江森芳樹さん

ここの中は、みなし公道となってます。ただ、ここも商業施設ではあるので、やはり一定の交通量はあります。そこをうまく、積まれてるセンサーとかを使って、ちゃんと止まってちゃんと動いて、と稼働させていただいてます。

今回レベル4にあたって、システムが全て運転の責任を担うというところで、より一層の安全性を確保する必要があるかなと思ってます。なので、今回の新しい工夫というところでいうと、代表的なものとしては3つありまして、一個はサイレン音を検知した際に自動的に停車しますよと。あとは、例えば、片方の回線が止まってしまった際にも安全に運行できますよ、という設計をさせていただいてるのと、あと、例えば人が(道に)倒れていた際に、ちゃんと止まるように、(地上)15センチのところの障害物をちゃんと検知できるように、センサーを追加することによって、ちゃんと検知して止まると。死角としてどうしても映らないところを、どうやって安全を担保するのか、というところのヘルプとして、センサーを付けてます。

羽田イノベーションシティというエリアの中での運行なので、施設内ということで、正確にはみなし公道。しかし、オフィスやホテルに来る車、商業施設への搬入トラック、歩行者の方々まで、なかなかの交通量。一般車両と同じ道を自動運転バスが通ることになっています。

レベル4の自動運転バス、実車!!

レベル4の運行にあたって、さらなる技術を搭載したわけですが、実際、レベル4の自動運転というのは、どんなものなのか。江森さんと一緒に乗ってきました。

近堂:よろしくお願いします。 あ!運転席がありませんね!なんかバスっていうよりも、スキー場のゴンドラみたい。では発車ボタンを押して出発します。運転手さんがいない車が走るって、すごく不思議な気持ちですね。あ、左から車が来てますよ、あ、止まりました。

江森:車が来てるので行きません。

近堂:車をやり過ごして

江森:はい、安全を確認できたので発進してます。はい、センサーで検知して進んでます。

♪警戒音

江森:そこにある

近堂:このかごですね。

江森:そうです、検知してちょっとゆっくり進んでます。

近堂:ほんとだ!障害物が無くなったら、急にスムーズに動きましたね。すごいですね~。

T字路のようなところで、左から車が迫っていた時もちゃんと止まったし、停止線でもきちんと一時停止して、そろそろっと進んで、左右から車が来ないことを確認して発進。また、道路わきの植木を剪定していたのですが、道にカゴが置いてあると、警戒音を鳴らしてスピードダウン。それに気づいて、職人さんが枝とカゴをどけたら、障害物が
無くなったことを検知して元のスピードに。かしこい!それにしても、無人の乗り物が普通の道を走るのは、本当に不思議な感覚でした。

運行を始めた8月から、無事故で順調に走っています。

(一周8分ほどの周回コースで、停留所は2つ。定員は11人ですが、添乗員1人が乗るのでお客さんは10人乗れます。乗り込んだら、設置されている液晶パネルで自分で行き先をタッチして、発車ボタンを押して運行スタートさせます。)

自動運転バスは横に動くエレベーター!?

実は、「BOLDLY」は、先週の金曜日には北海道の上士幌町でもレベル4の運行を始めました。公共の鉄道やバスなど住民の足が無くなっていく問題が増える中、運転手のいないレベル4のバスは注目されており、バス会社や地方自治体からの問い合わせも多いそうです。

これから広がりを見せそうなレベル4の公共交通。レベル4を運行するための法制度や技術は本当に進んできているのですが、実際の運行にあたっては、一つ大きく変えなければいけないものがある、江森さんは言います。どういうことなのか。再び江森さんのお話です。

「BOLDLY」株式会社市場創生部事業開発課 江森芳樹さん

いわゆる運賃頼みのビジネスモデルを脱却する必要があるのかなと考えております。

例えば、ビルの中に入っているエレベーターとかは、運賃ではなくて、共益費・管理費で賄っているケースが多いかなと思ってます。

フロアとフロアを繋ぐ形で運行してるのがエレベーターですが、私たちよく、横のエレベーターというかたちで、ビルとビル、エリアとエリアを繋いでいく横のエレベーターという考えをしてるんですけれども、運賃を徴収してしまうと、普通のエレベーターであれば、上の階にお客さんが行かなくなって経済的にマイナスになってしまうというところで、この羽田イノベーションシティではそういったビジネスモデル、すでに確立できてるんですね。無料で乗っていただいていて、実際に管理費・共益費でランニングコストを賄っています。

で、やっぱり公共交通に関しても運賃以外の別な形で支えていくと考えていった方が、地域全体の経済の活性化にもつながるかなと思ってますので、より考えていく必要があるんじゃないかなと思っております。

確かに、エレベーターは運賃取らないですよね!バスだから運賃、と考えるのはやめて、横に動くエレベーターと考えて運賃以外からランニングコストを賄うやり方を考えると、取組みやすくなるのではないか、ということでした。

実は、羽田のレベル4の運行は快晴時のみ。雨が降ると走らせられないんです。始まったばかりなので、慎重に安全策を取っています。しかし、実際にお客さんを乗せて着々とデータを集めていますから、そう遠くなく、レベル4の運行は制限がなくなって広がりそうです!!楽しみですね!

(TBSラジオ『森本毅郎・スタンバイ!』取材・レポート:近堂かおり)

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