カート競技日本一目指し全国大会へ
レーシングカート年間チャンピオンの座を懸けて競う「第49回SLカートミーティング全国大会」(10月18・19日、鈴鹿サーキット)のSSクラス(小学6年生以上)に赤穂出身の石野弘貴君(15)=淳心学院高1年=の初出場が決まった。専属メカニックの林和範さん(35)=浜市=とのタッグで日本一を目指す。
石野君はモータースポーツ好きの父・剛史さん(43)の勧めで5歳からカート競技を始めた。小学4年からは活動の軸足をeスポーツへ。2年前に全国大会で初優勝を飾り、昨年は世界大会に史上最年少で出場した。今年1月、トヨタ自動車がeスポーツ界からリアルレーサーの卵を発掘することを目的に主催した大会で優勝。今季は同社主体のサポートの下、神戸を拠点とするレーシングカートチーム「TIGRE(ティグレ)」(安本剛志代表)に所属して大会に参戦している。
SLカートの全国大会は北海道から九州まで各地のサーキット場(今年度は27場)で行われるシリーズ戦のランキング上位選手が集う。神戸シリーズを戦う石野君は3月の開幕戦以降7位、4位とポイントを重ね、6月の第3戦で優勝してランキング首位に。その後も1位、4位とさらにポイントを積み上げてリードを広げ、全国大会出場を確定させた。先月28日の第6戦でもライバル達との激しいバトルを制して3度目のトップチェッカーを受け、「速さ」だけでなく「強さ」を印象づけた。
好成績を支えているのが専属メカニックの林さんの存在だ。かつてカートや四輪レースを経験し、マシン整備も得意な林さんは会社勤めのかたわら、休日にはティグレのスタッフとして活動。安本代表が石野君の専属に指名した。
石野君の走りを見て「一目で能力を感じた」という林さん。「どんな展開になってもレースをあきらめないハングリーさ、応援したくなる人柄がある」と話す。マシンのセッティングはもとより、自宅からサーキットまでの送迎も担当し、レースに集中できるようサポート。運転の癖を見抜いて助言することもある。石野君は「僕のフィードバックを把握して、どのサーキットでもいいマシンを用意してくれる。アドバイスのおかげでバーチャルでもリアルでも速く走らせられるようになった」と信頼を寄せる。
「世界を舞台に活躍するレーシングドライバーになる」ことを夢に掲げる石野君。全国大会での走りが来季のステップアップへの試金石となる。「今年は僕のキャリアのターニングポイントであり、失敗すれば来季はないと思っている」(石野君)「しっかりマシンを仕上げて弘貴に託す」(林さん)と話す2人は表彰台の真ん中を求めて鈴鹿へ乗り込む。
SLカートミーティング全国大会は動画サイトユーチューブの「racingkartweb」でライブ配信される。