「ハリー・ポッター」ドラマ化、キャスティングは慎重に ─ 「10年間出てもらうから特殊」「映画版の役者を繰り返したくない」
米HBO製作、J.K.ローリング著『ハリー・ポッター』シリーズの新規ドラマ化企画は、原作・映画版のファンを含めた多くの映画・ドラマファンやエンタメ産業の関係者からも大きく注目を集めている。とりわけキャスティングは製作陣も非常に注意深く進めている部分だ。HBOの担当者が米に向けて、近況を明かした。
「ハリー・ポッター」ドラマ化企画は、全7巻から成る原作小説を、シーズンごとに1巻ずつ、約10年をかけて描く壮大な構想だ。これによって映画シリーズよりも原作に忠実な翻案となり、物語を深く掘り下げることが約束されている。
HBOの番組チームでIP担当を務めるサラ・オーブリーは本企画について、「イギリスでは多くの俳優にとって夢のような仕事です」と言及しつつ、「今キャスティングしている役は、10年間この番組に出演する人のためのものですから、非常に特殊な仕事でもあります。原作本を作ることが目的ですから、そういうことになるわけです」と述べている。
この一大シリーズへの出演はどのクラスの俳優にとっても大きなキャリアアップとなるはずだが、10年の出演期間がかなりのロングスパンであることは事実。キャスティングのハードルが上がるのも納得だ。
「シリウス・ブラックのように、後のシーズンに登場する注目の大人の俳優陣に手を挙げてくれる面白い方たちもいます。ですから、とても楽しいのですが、私たちは映画に出た人たちをドラマでは繰り返したくないんです。そして、役柄を特定の俳優と結びつけて考える人々もいるので、少し神経も使います。でも8時間あるTVのシリーズなので、違う俳優の演技に没頭してもらおうと考えています。」
現時点では、『インターステラー』(2014)や『教皇選挙』(2024)で知られるジョン・リスゴーがダンブルドア校長役をことが報じられている。約50年にもわたる豊富な経歴を誇るリスゴーでさえ、「これが私の人生の最後の章を定義するものになるので、決して容易な決断ではありませんでした」とキャスティングの重みを受けている。
映画版では故マギー・スミスが演じたミネルバ・マクゴナガル役に、「バッド・シスターズ」(2022-)のシャロン・ホーガンや『ブラック・ウィドウ』(2021)のレイチェル・ワイズ、ルビウス・ハグリッド役に「テッド・ラッソ:破天荒コーチがゆく」(2020-2023)のブレット・ゴールドスタインが検討されていると伝えられているが、現時点では誰にも正式なオファーは出ていないという(編注:マクゴナガル先生役にジャネット・マクティアが交渉中、セブルス・スネイプ役にはパーパ・エッシードゥが契約をまとめつつあると米から続報。詳細は追ってまとめる)。
そして、やはり最も気になるのは子どもたちの配役だ。2024年9月には、ハリー・ポッター役、ロン・ウィーズリー役、ハーマイオニー・グレンジャー役を演じるキャストのが開始し、12月時点で、32,000人の子役がハリー・ポッターをはじめとする子ども役のオーディションに参加したとているが、こちらも正式なキャスティング情報は発表されていない。2025年夏に撮影開始と報じられているため、そろそろ動きが見られるだろうか。続報を待ちたい。
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