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【茅ヶ崎市】「茅ヶ崎初」の希少クモ発見 電源開発のビオトープで

タウンニュース

発見されたワスレナグモ(上)とその巣=岸一弘さん提供

電源開発茅ヶ崎研究所の構内に設けられたビオトープでこのほど、国の準絶滅危惧に位置付けられるワスレナグモが発見された。茅ヶ崎市内では初めて。同社関係者は「貴重な環境が守られていることが改めて分かった。継続して保全していきたい」と話す。

ワスレナグモはメスが体長15〜18mm、オスは6〜8mmで、地面に巣穴を作ってそのなかに潜む。本州や四国、九州に分布しているが観測例は少なく、環境省のレッドデータでは準絶滅危惧に、神奈川県でも絶滅危惧II類に指定されている。

今回見つかったのはオス。場所は茅ヶ崎市役所にも隣接する、電源開発茅ヶ崎研究所内に設けられた約200平方メートルのビオトープだった。

「自然博士」と共同で保全

このビオトープは2003年、同社が構内の緑化を目的として、資材置き場に隣接する場所に整備したもの。昨年4月からはさらなる活用を目指して、市職員として長く市内の動植物の調査や保護活動に携わり「茅ヶ崎の自然博士」として知られる岸一弘さんらとともに保全活動に取り組んでいる。

同研究所業務グループの佐々木健作課長は「以前は草が茂ると機械で全体的に刈ってしまっていたが、岸さんの指導で、今では外来種を中心に手作業で除去するようになった。また、昆虫などが冬を越せるように下草を少し残すようにしている」と話す。

こうした成果もあり、現在はカワニナやモクズガニ、オオシオカラトンボ、フユノハナワラビなどの動植物が観察されている。

ワスレナグモが発見されたのは10月21日。月に1回行っている調査でのことだった。岸さんは「市街地の真ん中で貴重な生物が見つかったことに驚いている。結果的に1950年代(同社は57年に大規模ダム建設用の機械・資材の中央倉庫用地として現在の研究所の敷地を含む約18万平方メートルの土地を取得した)に近い環境が残されていたのでは」と推測する。

同社はこのビオトープを「自然共生サイト」(環境省が民間によって生物多様性が保たれている区域を認定する取り組み)に登録することを目指しており、すでに来年3月の認定に向けた申請を済ませているという。

佐々木さんは「ワスレナグモが発見されたことで、改めて貴重な環境だということが分かった。自然共生サイトへの認定を弾みにビオトープの存在や保全の取り組みを多くの人に知ってもらうとともに、社内でもノウハウを共有していきたい」と話している。

ビオトープの保全活動に取り組む佐々木さん

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