【福岡のちょっと贅沢ランチ】素材の持ち味を生かす、中華のエッセンスが香るランチ(中央区舞鶴)
家族で、接待で、女子会でいつものランチよりちょっと贅沢に。ゆったりとした時間を過ごしたい方にオススメのランチシリーズ。今回は、舞鶴にある完全予約制のレストラン「moto(モト)」へ伺いました。今年7月に1周年を迎え、これからますます注目を集めそうなお店です。
まず目を引くのが、洗練されたスタイリッシュな外観。扉をあけるとテーブルと4人用の個室がひとつ。アートをさりげなく配した空間に、これからのひとときへの期待がふくらみます。
奥に進むと、存在感のある幅広のカウンター6席があります。調理場と客席が垣根なくつながるスペースになっていて、オーナーシェフ・作元さんが目の前で仕上げて、カウンター越しにサーブすることもあるのだそう。
作元さんは、「グランドハイアット福岡」や「ホテル日航福岡」の中華部門で修業を重ね、水上公園の「星期菜」で料理長を勤めた実力派。独立してオープンした「moto」では、 “九州の薫り”をコンセプトに、糸島の野菜や長浜の鮮魚などをふんだんに取り入れた一皿を届けています。
「実は中華にこだわってはいないんです」と、作元さん。「中華の味が強すぎると、素材の持ち味を隠してしまうことがあります。だから『moto』では、食材を素直に生かす、出汁の取り方や火入れの仕方を大事にしています」。中華の技法をベースにしつつも、ジャンルにとらわれず素材を大事にした料理を味わうことができます。
「moto」は、完全予約制のため、テーブルチェックや食べログからの予約が必須です。今回は3,500円のランチをいただきました。
コースの幕開けは、「魚屋武市」という名の前菜の盛り合わせです。ちょっと変わったこのメニュー名は、作元さんが信頼をおく長浜の鮮魚店、武市さんにちなんだもの。イカのネギソースやタイに山椒がけ、つぶ貝のオイスターソースがけなど、食感も風味も多彩で、一皿目からぐっと心をつかまれました。低温調理した鶏肉に、胡麻ソースをかけた一品もしっとりとした食感で美味!
続いて登場したのは、糸島の契約農家からも届く、糖度が高い早朝に収穫したトウモロコシ「もきっこ」のスープです。ほぼもきっこだけで仕上げたという贅沢なスープは、驚くほど甘く、濃厚な味わい!トッピングした中華のおこげが香ばしいアクセントになっています。
お魚料理では、ガーリック蒸しにしたアコウと春雨、そしてアコウの骨からとったダシを使った茶碗蒸しを楽しめます。ガーリックの香りが立ち上り、深い旨みが広がる一皿にスプーンがとまりません。
お肉料理には糸島豚が登場。糸島産の青梅でつくった自家製ソースが、やわらかな肉質の糸島豚と調和し、まるで酢豚のような趣に。初夏の香りをまとった、涼やかな味わいが口いっぱいに広がります。
次は「沙律(サラダ)」と名付けられた冷麺。タマネギやビーツなど、揚げネギ、豚のミンチなどのトッピングも多彩で、つるりと喉越しがよい麺を最後まで飽きずに味わいました。
デザートには、バニラビーンズ入りの杏仁豆腐と季節のフルーツと、糸島のブルーベリーを使ったタルトをいただきました。中華をベースにしつつ素材を生かした料理は、彩りも美しく、目にも舌にも心にも残る内容で大満足です。
そして、ちょっといいなと思ったのが、料理に合うノンアルコールスパークリングのラインナップです。佐賀の天然水と柚子を合わせた「柚子スパークリング」(1,200円)や「八女和紅茶スパークリング」(1,100円)など九州らしさを楽しめるものがあり、ノンアル派におすすめです。
ランチはほかに、お肉が牛肉になりフカヒレスープも付く5,500円のコース、作元さんのスペシャリテ・フカヒレの土鍋煮込みが楽しめる8,500円もありますよ。
次のランチは、口福なひとときを約束してくれる「moto」へ訪れてみませんか?
moto
福岡市中央区舞鶴3-2-18
092-600-0780