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正しくても伝わらない…。子どもを「正論で叱ってしまう」原因と“正しい共感”のあり方

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正しくても伝わらない…。子どもを「正論で叱ってしまう」原因と“正しい共感”のあり方

臨床心理士・公認心理師のyukoです。子どもの要領がよくなかったり、何度言っても同じ誤りを繰り返すとき、親はつい正論で詰めてしまいがちです。しかし、いくら正論を伝え続けても子どもの心には響きにくいもの。どのように関わっていけばよいのでしょうか。

ママが言ってること、間違ってないよね?

いつもやるべきことを後回しにする小6の娘。朝登校する時間になって「宿題できてないから学校に行きたくない」と言い出す始末。「だから前日の間にやっておきなさいっていつも言ってるよね? いつになったらその癖を直すの? 宿題ができていないのは自己責任だよね。」と伝えたら、「もういい、ママに言わなければよかった」と言って出て行ってしまった。どう伝えればよかったの?

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子どもが何度も同じ失敗を繰り返すと、つい苛立ってしまい強い口調で責めたり、正論で詰めたりしやすいもの。
ただ、正論ばかりで返してしまうと子どもは逃げ場がなくなり、辛くなってしまいます。
また、親子の関係性が上下関係のようになってしまい、子どもの気持ちを見失いやすくなるときも。

親はどんなときに正論を言ってしまいやすいのかを理解し、状況に応じて対応を変えていけるとよいでしょう。

どんなときに子どもを正論で詰めてしまいやすい?

時間に余裕がないとき

正しいことを言えば子どもは言い返せなくなるので、忙しくしているときに困ったことを言われると、話を早く終わらせようと正論で片付けやすくなります。

また、仕事を熱心にしている方は部下に対する接し方を育児にも反映してしまいがちです。
仕事は効率よく、ミスなく、正しく遂行する必要があります。
一方で子育ては矛盾だらけの子どもの気持ちを上手にくみ取りながら関わっていくのも大切。

子どもに対しては正しさや論理、根拠ではなく、今どう感じているのか、何がつまずきとなっているかにも目を向けていかなければいけないんですね。

子どもが感情的になっているとき

子どもが泣いたり怒ったりしているときは、親まで感情に巻き込まれないようにするため、正論でバリアすることがあります。
子どもと一緒になって感情的になり収拾がつかなくなる場合には、大切な防衛となるでしょう。

一方、子どもが気持ちをわかってほしいときには冷たく感じ、「ママ(パパ)は全然わかってくれない」となってしまいます。
「泣いてても意味ないよ」「そんな風に怒っても無駄だよ」と否定するのではなく、「泣きたくなるくらい辛いのはわかった」と伝えた上で話し合っていけるとよいでしょう。

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子どもの将来や進路に不安を感じているとき

・このまま提出物を期限内に出せなければ社会にでても困るだろう。

・宿題をやる癖がつかなければ成績が落ちていき、希望通りの学校に進学できないのでは。

そのような不安を感じていると、親は正しい道に導かなければと思い、正論で詰めやすくなります。
「正しさでわからせなければいけない」という考えに至りやすくなるんですね。

また、親自身の経験を重ねて、自分のようになってほしくないと感じていると「自分はこういう風に苦労してきた。だからあなたはこうするべき。」と強く言いやすくなります。親の経験を根拠にして説くのも、子どもにとっては正論に聞こえるもの。

親の失敗や過去は一例として焦らず冷静に伝えていけるといいですよね。

なぜ正論よりも共感が大切なのか。

大人同士で物事を効率的に進める中では、ひとつひとつ感情に向き合っていくよりも合理的な筋道を重視したほうがよいでしょう。

しかし子どもに対しては、正論で説明するよりも前に「共感」というステップを踏む必要があります。なぜなら子どもは成長の過程で、まず感情を整理した上で徐々に合理的な考えを身に着けていくからです。

例えば、「テストでケアレスミスをしてしまった」と言ったとき。
「だから見直ししなさいっていつも言ってるでしょ」と返されてしまうと、「わかってるけどそれができないから失敗したんだ(泣)」と感情が整理されず取り残されてしまいます。
一方、「悔しかったね。今回はなんで見直しの時間が取れなかったんだろう」と語りかけると、問題を解決する思考につながっていきます。

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危険な場面や自分や相手が傷つく恐れがあることは「どんな理由があっても絶対にだめ」と正しさを伝えるのも必要です。
子どもの思考を育てたい、成長を支えたいと感じる場合は、正論をぐっとおさえ、気持ちを整理した上で話し合う時間を作っていけるとよいでしょう。

yuko/臨床心理士・公認心理師

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