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【高知グルメPro】あわびの炊き込みご飯にピラフに伊勢海老の炊き汁まで高知の磯の幸を満喫する「あわびめし本舗 永楽」フードジャーナリストの高知満腹日記

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【高知グルメPro】あわびの炊き込みご飯にピラフに伊勢海老の炊き汁まで高知の磯の幸を満喫する「あわびめし本舗 永楽」フードジャーナリストの高知満腹日記

高知市中心部から車を東に走らせること45分。

香南市夜須町の海沿いに、ぽつねんと店はあった。

店頭の木看板には、「あわびめし本舗 永楽」とある。

「あわび」という文字だけでも心躍るのに、「めし」がついているではないか。

もう食べる前から、頬が緩んでしまう。

しかも800円と安い。

コーフン気味だったために、「いせえび炊き汁」4,000円も頼んでしまった。

「あわびめし」が運ばれる。

筒状の器によそられた「あわびめし」は、炊き込みご飯の上に薄く薄く切られた鮑たちが、くるんと身をそらせながら乗っている。

その姿が、花びらのようで可愛らしい。

昆布とアワビの煮汁、タレを入れて炊いているというご飯は、淡い薄茶色に染まっていた。

食べればご飯は、ほんのりとうまみが染み込んでいて、しみじみとうまいではないか。

メニューもこの「あわびめし」を推したコースがズラリと並ぶ。

極めてゼータクなご飯であるが、かつてこのあたりでは鮑がたくさん取れ、ご主人が子供の頃は、家庭で食べていたという。

おそらく昔は、アワビもそれほど高価なものではなく、漁師飯から発展したのではないだろうか。

高知はナガレコというトコブシの方が人気があるので、アワビは高級品ではなかったのかもしれない。

だから、このようにアワビも庶民のご飯になったのだろう。

もっとも昔は、もっとアワビが入っていただろうが。

ならばと、「アワビピラフ」もたのんでみた。

一見普通のピラフ風ではある。

口にすれば優しい味わいで、塩分が柔らかい。

アワビはどこだと探す必要はない。

「アワビめし」より少し厚めに切った鮑が入っていて、それらが時折ムチッと歯にあたって楽しいのだな。

そして「伊勢海老の炊き汁」が登場した。

勝手に味噌汁を想像していたが、すまし汁だった。

伊勢海老と汁のみという潔さである。

だが、半割りにされた伊勢海老が一つのお椀に入っているお姿が、実に壮観である。

もうもうと湯気を立ち上らせながら、さあ食べろと迫ってくる。

伊勢海老のうまみが溶け出した出汁を飲み、伊勢海老を食べる。

これはまず身だけを取り出し、汁にまとわせて食べるのがいい。

あるいは、身を食べて、まだ口の中にあるうちに汁を飲む。

すると、うまみが膨らんで、より磯感が出てくる。

さらにエビミソを汁に溶かしてみた。

さらに旨みは深みを増し、笑いたくなる。

一計を案じて、その中にピラフを入れ、エビミソ味の茶漬けと洒落てみた。

これはいけません。

良い子は決して真似してはいけないお味である。

店は、昭和47年に創業されたという。

当時はこの辺りに伊勢海老やアワビの料理を出す店が数軒並んでいたが、今は「永楽」さんだけになったという。

希少である。

年々高騰していく伊勢海老とアワビを、こうして気軽に食べられる幸せがここにはある。

店の片隅には、水槽になった大きな木樽が置かれていた。

中を覗き込むと、伊勢海老が何匹も出番を待っていた。

店舗情報

あわびめし本舗 永楽

営業時間:火~金曜日: 11:00~14:00 (料理L.O. 13:45)

     土・日・祝日: 11:00~20:00 (料理L.O. 19:00)

定休日:月曜日・第4火曜日

住所:高知県香南市夜須町千切-536-111

電話:0887-55-3508

※営業時間・定休日は変更となる場合がありますので、詳細は店舗にご確認ください。

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