県高校総体前特集 バスケットボール男子(2)別府溝部学園 タイトルは譲れない、誓いのリ・スタート【大分県】
県高校総体の前哨戦と位置付けられる南九州四県対抗バスケットボール選手権(南九対抗)の県予選は柳ケ浦が圧倒した。追随する別府溝部学園、大分舞鶴らも着実に力を付けており、夏の県王者を目指す。約1カ月後の大一番に向けて、実力校の現在地を探った。第2回は2年ぶりの県高校総体の優勝を目指す別府溝部学園。
【チームパラメーター】( )は昨年の数値
オフェンス 7(7)
ディフェンス 7(7)
リバウンド 6(7)
シュート 8(7)
スタミナ 8(8)
高さ 8(8)
またしてもタイトルを逃した別府溝部学園だが、チームとして歩みが止まったわけではない。1月の県高校新人大会では、ライバル柳ケ浦に試合終了間際の逆転負けを喫し、悔しさをにじませた。そして迎えた南九対抗の県予選。再戦となった決勝の舞台でも、柳ケ浦の堅守に46点に抑え込まれ、雪辱を果たすには至らなかった。
伊藤滋監督は「柳ケ浦が強かった。選手が守り切れず、得点も伸びなかった」と敗因を明確にしながらも、結果を潔く受け入れた。エースのスタークス・ジュリアン(3年)は試合前日に足を負傷。痛みを抱えながらコートに立ち続けたが、その動きは明らかに制限されていた。
ジュリアンは、負傷の影響が残る中で、徹底マークを受けた。伊藤監督は「強い選手ほど厳しく守られるのは当然。それを越えなければならない」と語り、エースとしてのさらなる進化を求める。同時に、チームとしてエースに依存しすぎない攻撃の多様化も急務だ。よりスムーズな展開を可能にする戦術設計が、今後のカギを握る。
ゲームメーカーの知名勝真
第2の得点源とされるオヴァクポリィ・ポール・オゲネモメノ(3年)は、相手の留学生との厳しいマッチアップに苦しんだ。それでも要所で得点し、県新人大会での無得点・ファウルアウトという苦い経験からの成長を見せつけた。他にもゲームキャプテンの知名勝真(同)、鈴木太陽(2年)が随所で存在感を発揮。特に鈴木は3点シュートやジャンプショットの精度が高く、攻撃の幅を広げる存在として期待がかかる。
守備面では、マンツーマンディフェンスが機能せず、戦術変更を余儀なくされた。チームは途中から2-3のゾーンディフェンスにシフトしたが、その成熟度には課題が残る。伊藤監督は「まずは基本の2-3を徹底して、数種類のゾーンディフェンスの完成度を高めたい」と話す。
県高校総体でのリベンジに向け、今はまだ準備段階にすぎない。確かな成長を積み重ね、勝負の本番で再び宿敵を迎え撃つ日を見据えている。
伸び盛りの鈴木太陽
(柚野真也)