大井町駅前の再開発、2025年初頭の進捗状況 と事業概要を紹介! 2026年3月を目指し工事が進む「広域品川圏」南の拠点駅
2025年が始まりました。東京都内では、様々な駅の周辺での開発工事が続けられています。
今回は、将来のリニア開業を控える「品川駅」を中心とした広域品川圏の南側に位置する「大井町駅」周辺の、2025年の年始の現場周辺写真を見ながら、進捗状況と開発概要のおさらい情報をお伝えします。
大井町駅周辺の開発、進捗状況
早速、「大井町駅」周辺の2025年初めの状況です。2025年1月現在、JRの線路の西側・東急大井町線の北側となる「広町地区」を中心に、再開発事業が進んでいます。
2025年1月現在見えている2つの建物が建築されている場所は、以前は劇団四季の劇場やJRの鉄道関連施設があった場所です。この場所は現在はJR東日本が事業主体となって開発を進めており、まちの名称を「OIMACHI TRACKS(大井町トラックス)」とすることが2024年10月に発表されました。
この名称は、大正時代の鉄道車両工場と線路(TRACKS)に始まり、地域の発展と歩みをともにしてきた場所が、地域や沿線・国内外からの来街者が訪れ行き交う歩行者デッキ(通り・TRACKS)を中心に人・情報・モノ・コト・地域の新たな交流が生まれ、新たな価値が共創されることで、大井町に居住、往来するすべての人々にとって、楽曲(TRACKS)のように心豊かな生活が実現するまちづくりを目指すということから名付けられたそうです。
見えている2つの大きな建物は、東急線高架の北側(品川駅側)に、大井町駅から下神明駅・しながわ中央公園・品川市役所方面に向かって進められている再開発事業用地内の東側に位置します。東側の建物(写真の右)はホテルと住宅が入るタワーとなり、その西隣(写真の左建物)はオフィスタワーとなります。さらに西側では、今後、品川区総合庁舎(区役所)の建て替えが予定されています。
品川区の庁舎区域も合わせた再開発の面積は、約7.1haにも及びます。最も東側に位置するJR大井町駅に新たな改札口が新設され新しい広場が設けられます。交通広場も設置されるため、大崎方面への交通が今よりもスムーズになると思われます。
更に西側に進んだ場所には、南側には4,600㎡の広場が設置され、北側には品川区新庁舎が出来る予定です。
西側からの眺め
品川庁舎の屋上には一般に開放されている屋上庭園があり、そこからは、隣接する開発地の様子を眺めることが出来ます。
正面に見える大きなビルが、建設中のオフィスタワーになりますが、かなり上階まで建物の外側は出来ています。下写真右にある、東急線の線路手前には、一段高くなった場所に広場の建設が進んでいるのが分かります。
この4,600㎡の広場は、この地域の広域避難場所となる予定で「TRACKS PARK」と名付けられました。
「OIMACHI TRACKS」の施設パートナー
【ホテル】
JR東日本グループのメトロポリタンホテルズが「HOTEL METROPOLITAN OIMACHI TRACKS TOKYO」として、HOTEL & RESIDENCE TOWER の6階から13階に客室、そして最上階の26階に夜景や隣接する車両基地の壮観な車列を一望できるルーフトップバーを備える、「まちに開かれたホテル」を展開します。ホテル内共用部では、訪れるお客さまに新たな出会いや特別な体験を提供します。
【レジデンス】
HOTEL&RESIDENCE TOWER 14階から25階に展開するレジデンスのうち、14階をSOHO( Small Office Home Office、20戸)、18階から25階を賃貸レジデンス(174戸)として多様なニーズに対応します。ライフステージ・ライフスタイルに合わせた選択ができるよう間取りにバリエーションを持たせた住まいとなります。
15階から17階は、JR東日本グループ初のサービスレジデンス(ホテルライクなサービスを提供する長期滞在用レジデンス)として、世界40ヵ国230都市以上でサービスレジデンス及びホテルを展開するホスピタリティオペレーターであるThe Ascott Limited(アスコット)が運営するオークウッド大井町トラックス東京(78戸)が、国内外からのゲストに洗練された空間が提供されます。
レジデンス全体の共用エリアには、セカンドリビングとして使用できる居心地の良いラウンジが整備され、コンシェルジュサービスを導入し、大井町駅直結の利便性と都心を一望できる眺望を兼ね備えたプレミアムレジデンスが用意されます。
【オフィス】
BUSINESS TOWER高層部には、都内最大級となる1フロアあたりの貸室面積約5,000㎡ のオフィスが設置され、低層部には新しい働き方を支援するオフィスサポート機能は整備されます。1階には約340㎡の多目的ホール、4階にシェアラウンジ、5階にカンファレンスとレンタルオフィスを備え、多様な働き方をサポートします。
【商業施設】
開放的なアウトモール型商業空間
歩行者デッキや広場空間に面して1階から5階に約80店舗が出店。こだわりのレストランやライフスタイルショップ、心身を充たすウェルネスやエンターテインメントなど個性あふれるラインナップで賑わいを創出します。
TOHOシネマズ大井町(仮称)
BUSINESS TOWER の2階から5階に配置されるシネマコンプレックスには、TOHOシネマズの入居が決定。「映像」「音響」「座席」にこだわった本格的シアターで、感動的な映像体験をお届けします。
スパ・サウナ
HOTEL & RESIDENCE TOWERの4階に出店するスパ・サウナは、サウナシュラン全国1位を受賞した実績のある温浴施設を手掛けるオークランド観光開発株式会社の新業態です。 大井町ならではの壮観なトレインビューを望みながら、ここにしかないスパ・サウナ体験が楽しめます。
東側からの現在の眺め
次の写真は、開発が進んでいる場所の東側、JR京浜東北線・東海道線の線路沿いからの建設現場の眺めです。
2つのビルともに、かなり高層階まで進んでいるようです。奥のオフィスタワーの方が手前のホテル・住居タワーよりも幅が広いのが分かります。この写真では見えにくいですが、イトーヨーカドーの手前には、JR大井町駅東口の建物と、東急の大井町駅があります。
写真を撮影した場所に近いJR東口の付近には改札が新設され、その前には、待合せなどにも便利な玄関口となる広場が整備されます。広場とつながるデッキからは整列する鉄道車両を一望することができるようです。
JRの線路沿いに北側に、品川駅・大崎駅側に向かって少し進んだ場所から見ると、このように2つの建物の位置関係が分かります。外観は、オフィスタワーはかなり出来てきており、ホテル・住居タワーはまだこれからといった感じに見えます。
現在、建設が進んでいる「OIMACHI TRACKS」は2025年度末(2026年3月)の開業を目指しています。その後は、敷地の西側に品川区などが主導での品川区庁舎の建て替え事業が行われる予定になっています。
<事業計画の概要>
(イメージ・図;JR東日本、品川区)
JR京浜東北線に加え、りんかい線や東急大井町線も通る、品川駅南側の拠点駅となった「大井町駅」ですが、この再開発によって首都圏屈指の鉄道車両基地を眺められるという立地を利用した休憩空間やホテル、外とつながるショッピングモール、広い公園空間など、新たに街を訪れる人が増えるきっかけになりそうですね。来年の街びらきを待ちましょう。
文・写真:鎌田啓吾
※この記事の写真は、2024年12月下旬~2025年1月初旬に撮影をしたものです。
(鉄道チャンネル)