鉄筋コンクリート造の家のメリット・デメリットを徹底解説!
近年、鉄筋コンクリート造の家が注目されています。しかし、まだまだ木造の家が多く、鉄筋コンクリート造の家についてあまり知られていないのが現状です。そこで、この記事では鉄筋コンクリート造の家のメリット・デメリットを徹底的に解説します。メリットやデメリットを理解して、家づくりの参考にしてみてください。
鉄筋コンクリート造の家のメリット
ここでは鉄筋コンクリート造の家のメリットを解説します。
①耐久性が高い
鉄筋コンクリート造の家は耐久性が高いのが大きなメリットです。分厚い建材を使用し、重量が重くなるためです。
建築物には法定耐用年数が定められています。
木造住宅の法定耐用年数が22年に対し、鉄筋コンクリート造の住宅は47年と2倍以上です。47年と長期間住めるので、次世代に引き継げるのも鉄筋コンクリート造の魅力の一つでしょう。
②デザインや間取りにこだわれる
鉄筋コンクリート造の家は、デザインや間取りにこだわりたい人にもおすすめです。耐久性が高いため、柱のない大きなリビングを作ったり個性的な外観を作ったりできるのが、鉄筋コンクリート造の家の特徴です。また、曲線的なデザインも取り入れやすいのも、木造住宅にはない鉄筋コンクリート造の家のメリットといえるでしょう。
③台風や地震に強い
建材の重量が重いため、台風や地震といった災害に強い特徴があります。特に耐震性が強く、これまでの震災でも一番被害が少なかったのは、鉄筋コンクリート造の家だといわれているほど。規模の大小はありますが、毎年台風や地震は発生しています。そういったときでも安心して暮らせるのは、うれしいポイントですね。
④耐火性に優れている
熱に強く、火災時でも全焼や倒壊を防ぎやすいのも鉄筋コンクリート造のメリットです。使われる素材にもよりますが、1000度を超える火災が起きても燃焼することはないといわれています。燃焼しないということは倒壊しにくいということでもあります。一方、木造住宅の発火温度は260~416度です。そのため、全壊までの時間も鉄筋コンクリート造の住宅よりも早くなります。
⑤メンテナンスしやすい
鉄筋コンクリートは、耐震性や耐火性に優れています。しかし、全く影響を受けないわけではありません。地震や火災によって、建物にひび割れが生じる場合があるのです。ほかにも、経年劣化が原因でひび割れするケースもあります。
ただし軽度のひび割れ程度であれば、補修材などをホームセンターで購入し自身で補修できるため、施工会社に補修してもらうよりも安価です。自分で安く補修できるのはとてもうれしいポイントなのですが、注意点もあります。
・ 幅0.3㎜以上のひび割れ・ 地面と水平方向に走っているひび割れ・ 高所のひび割れ・ 住宅の基礎部分に走っているひび割れ
上記のようなひび割れは要注意です。重度のひび割れだったり、素人が補修するには危険な箇所だったりする可能性があるため、施工会社に依頼しましょう。
⑥防音性・遮音性が高い
鉄筋コンクリートは気密性の高い構造をしており、高い防音性と遮音性があります。家の中の生活音が近所に伝わりにくいのは、うれしいポイントといえます。また、外部の環境音も遮音してくれるのも大きなメリットです。外部の環境音に悩まされたくないという方に鉄筋コンクリート造の家はぴったりですね。
⑦断熱性が高く、電気代の節約になる
近年、電気代が高騰しており、家計が圧迫されている方も多いのではないでしょうか。
鉄筋コンクリートの気密性は、断熱性の高さにも繋がります。断熱性が高いと、外の気温の影響を受けにくくなり、電気代の節約にもなります。日々の家計にも優しいのは、長年暮らす上でとても大切なポイントです。
鉄筋コンクリート造の家のデメリット
次に鉄筋コンクリート造の家のデメリットを解説します。
建築コストが高くなりがち
鉄筋コンクリート造の家は木造住宅に比べて、建築コストが高くなりがちです。建築コストが高額になりやすい理由は以下の2つです。
・ 地盤改良工事が必要な場合がある
鉄筋コンクリートは、重量のある建材です。その分、地盤に与える負荷も木造住宅よりも大きくなります。地盤が緩い土地の場合、建築前に地盤を改良したり、補強したりする必要があるため、コストが嵩む傾向があります。鉄筋コンクリート造の家を建てる場合は、土地選びから慎重に行いましょう。
・ 工期が長い
鉄筋コンクリート造の家は、木造住宅よりも工期が長くなりやすい傾向にあります。木造住宅の工期は3ヶ月ほどですが、鉄筋コンクリートの場合は5ヶ月ほど。少しでも早くマイホームを建てたいという方には、あまりおすすめできません。
特に地盤改良工事は土地の価格も影響するので、金額の幅も大きくなります。鉄筋コンクリートの住宅を建てる場合は事前に必ず見積りをとって、コストを把握する必要がありますね。
結露しやすい
気密性が高い鉄筋コンクリート造の家は、湿気がたまりやすいです。屋内に湿気がたまると、結露やカビが発生する原因になります。快適に住むためにも、換気にも配慮した間取りにすると安心です。
・ 換気扇を設置する・ 窓を設置する
湿気がたまりやすい部屋は上記のような対策をとると効果的です。
リフォームとの相性が悪い
建物の耐久性が高いということは、取り壊すのが困難ということでもあります。そのため、リフォームするときはどうしても高額になりがちです。家づくりの前にライフプランを想定して、できるだけリフォームをしない前提で家を建てるようにしましょう。
鉄筋コンクリート造の家がおすすめなのはどんな人?
ここまで鉄筋コンクリート造の家のメリット・デメリットを解説しました。最後に、それらを踏まえてどういった人に鉄筋コンクリートの家がおすすめなのかを解説します。
初期コストにお金をかけられる人
鉄筋コンクリート造の家は、全体的に高性能な家です。その分、地盤を補強する工事が必要になったり、工期が長くなったりして建築コストが高額になりやすいのがデメリットです。さらに、デザインや間取りにこだわれる点は鉄筋コンクリート造の魅力でもありますが、こだわればこだわるほどコストが高くなっていきます。
しかし、高額なのはあくまで初期コストです。耐久力が高いため、木造住宅よりも長く住めます。これから長く住む家にこだわるのは決して悪いことではありません。間取りやデザインにこだわった分、愛着もわくでしょう。そう考えると、金額以上の魅力が鉄筋コンクリート造の住宅にはあるのではないでしょうか。
災害に強い家をつくりたい人
重量のある鉄筋コンクリート造の家の強みは災害に強い点です。年に2〜3個の台風が訪れます。また南海トラフ地震や首都直下地震は、30年以内に70%の確率で発生するといわれています。まさにいつ災害が起きてもおかしくありません。このような時代だからこそ、鉄筋コンクリート造の家を建てる意味があります。
プライバシーにこだわりたい人
鉄筋コンクリートは、気密性が高い構造になっています。そのおかげで高い防音効果と遮音効果が期待できます。
「ペットの声が近所迷惑にならないか不安」
「周辺の環境音がストレスになりやすい」
そういった方に鉄筋コンクリート造の家は相性ぴったりです。ぜひ前向きに検討してみましょう。
まとめ:鉄筋コンクリート造の家のメリット・デメリットを知って、選択肢の幅を広げよう
この記事では、鉄筋コンクリート造の家のメリットやデメリットを解説しました。鉄筋コンクリート造の家にはたくさんのメリットがありますが、初期コスト面におけるデメリットも大きいです。しかし、最終的に長く快適に住める鉄筋コンクリート造の家はコストパフォーマンスに優れているといえます。それらを理解した上で、自分に鉄筋コンクリートの家が合っているかを判断しましょう。