アグリテック甲子園で全国の頂点に! 大分東高校農業部 【大分県】
全国の高校生や専門学生、大学生がICT(情報通信技術)を活用したスマート農業に関するアイデアを競う「アグリテック甲子園2024」で、大分東高校農業部が最優秀賞を受賞し、全国の頂点に立った。昨年の書類審査を通過した5組が兵庫県姫路市で行われた全国大会に出場した中での快挙だった。
同校は、前回大会で優秀賞を獲得した「イチゴの品質判定プログラム」を、スマートフォン向けに改良して発表。大分県産の「ベリーツ」の流通に着目し、パック詰めなど現場の困りごとを農家から直接聞くことで研究を深めた。開発には約3年を要し、先輩たちが築いた土台を受け継ぐ形で、現在の部長・久保田凜(3年)が中心となって改良を進めた。
久保田は「先輩たちが残した研究成果を無駄にせず、思いをつなげたいと考えた。同級生がいないので、1人で大変なこともあったが、先輩たちの温かな指導が今も励みになっている」と振り返る。現在は後輩たちとともに、さらなる改良と新たな挑戦に取り組んでいる。
イチゴの品質や等級を判定するプログラムを開発した
今年2月には、このプログラムが「第7回日本オープンイノベーション大賞」で選考委員会特別賞を受賞。顧問の奥孝次朗教諭は「前任の教諭から研究を引き継ぎ、大きな責任もあったが、生徒たちの努力と企業の協力によって成果を残すことができた」と語る。研究活動を通して地域との関わりも深まり、教育の枠を越えた成長の場となっている。
品質判定プログラムはすでに一部の農家で導入が始まっており、現在も実用化に向けた改良が進められている。高校生ならではの柔軟な発想が、地域農業の課題解決に一石を投じている。近い将来、彼らのアイデアが大分、そして日本の農業の在り方を大きく変える日が訪れるかもしれない。
アグリテック甲子園2024で最優秀賞を受賞した
(塩月なつみ)