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会津美里町を流れる宮川を渡る只見線列車

日刊CJ

年間300日、奥会津やJR只見線の撮影をし続ける郷土写真家・星 賢孝(けんこう)さん。彼だからこそ知る四季折々の“美しき奥会津”をお届け。撮影アドバイスも紹介します。

【宮川を渡る只見線列車(大沼郡会津美里町宮里地内)※2023年3月撮影】[撮影機種:Canon EOS R、手持ち撮影、シャッター速度1/640、F8、絞り優先]

清流染めて―宮川橋梁

広々とした川面を雪解けの奔流が弾け飛んでいる。泡立つ水は刻々と光を変えながら渦を巻き、春の息吹をはらんだ風が川岸の草をそよがせ、まだ冷たさを残す水音が河原に響き渡っている。静寂の中に張り詰める期待の中、鉄路を震わせる音が微かに近づいてきた。やがて、一陣の風とともに、只見線の列車が現れた。

車体の緑が夕映えの光を受けてほのかに朱を帯び、窓には旅人の顔が一瞬映り込んでいる。リズムよく響く車輪は清流と絡まり、橋梁を颯爽と駆け抜ける。天空は緩やかに紅を溶かし、山々の稜線を淡く照らし出している。

水面を染める橙の光が揺れ、列車の影とともに消え去っていく。遠ざかる響きは、夕暮れの静けさの中にやがて溶け込む。列影はまたひとつの物語を刻み、そして時の流れの中へと緩やかに消えていく。

撮影の際、車は堤防に駐車を。岸辺への接近は水量次第なので、ズームレンズが欲しい。

文・写真/星 賢孝

会津美里町を流れる宮川を渡る只見線列車

住所
【今回の撮影スポット】
大沼郡会津美里町宮里地内&z=14

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