お疲れ様と感謝を込めて頑張った針をこんにゃくに刺す!神戸・兵庫区 厳島神社の「針供養」 神戸市
新開地駅から歩いてすぐの場所に平清盛ゆかりの「兵庫七弁天」の一つ、外弁天『厳島神社』(神戸市兵庫区)があります。
その名前でピンと来る人も多いのでは。平清盛はかつて安芸(広島)の守に任ぜられたことから、厳島明神を深く信仰していたそうで、福原遷都の際には厳島明神を勧請し、1180年にこの神社を建立したそうです。
この社では、毎年事始めである2月8日に「針供養」が行われます。それは厳島神社の境内に女性の守り神である淡島神がまつられていることが由縁です。
「針供養」とは、折れたり錆びたりして使えなくなった針を供養する行事。「お疲れさまでした」という感謝の想いと共に、やわらかいこんにゃくに一本ずつ針を刺します。
本来は針仕事の上達や無事を祈る目的で行われるため、11時からの式典には、日本和裁士会兵庫県支部の会員や地元の婦人会、各種学校の先生などが参列。一般の人も含め毎年100人ほどが出席し、祭壇に設けられたこんにゃくに針を刺していくそうです。
縫い針以外にも、医療関係者からは注射針、漁師さんからは釣り針など、ジャンルを問わず針と名の付くものがたくさん持ち込まれるそう。2月8日は、式典終了後もこんにゃくが設置されるため、自由に訪れ納めることができます。
こんにゃくに刺された針は、その後、境内奥にひっそりとたたずむ石碑「針塚」の元に埋めて供養されます。
高さ2メートル近くもある大きな針塚の周りには、取り囲むように蘇鉄(ソテツ)が植えられています。ソテツは”鉄を養分にして蘇る”といわれているので、針が埋められる場所としても最適だとか。
最後に霊験あらたかな情報をひとつ!実はこの神社の境内には、弘法大師ゆかりの高野山にある「三鈷の松」が植えられています。
松の葉は通常はふたつに分かれており2本の形状ですが、この松の木には三つまたの三本の葉が存在するのだとか。
とても縁起の良いもので、三本松葉を拾ってお財布に入れると幸せが訪れたり、お金が貯まるといわれているそう。
「毎朝掃除している際にも、よく見つけます。四葉のクローバーのようなものですね。落ちている葉がないからといって、枝から直接とるのはやめてくださいね」と話すのは宮司の嶋津幹二さん。筆者も参拝時には必ず探してみようと思っています。
開催日
2025年2月8日(土)
場所
厳島神社
(神戸市兵庫区永沢町4‐4‐21)
TEL
078‐575-8724