おっさんが「呪術廻戦」を読破した率直な感想
今から4カ月ほど前の2024年9月、漫画『呪術廻戦』が完結した。最近の漫画にはすっかり疎くなっているが、さすがに『呪術廻戦』は知っている。というか、途中までは読んでいる。
とはいえ正直に言ってしまうと、中盤から理解が追い付かなくなってしまったことも事実。そこで改めて『呪術廻戦』を読破した感想を、努めて正直にお伝えしたい。
・ジャンプ世代
いわゆる「ジャンプ黄金期」に少年時代を過ごした私は、紛れもなく“ジャンプっ子”であった。ドラゴンボールとスラムダンクが両方とも掲載されていたなんて、いま思えばちょっとした奇跡である。
そんな私もいつしか少年ジャンプを卒業し、本当に久々に読んだのは「鬼滅の刃」だろうか? その流れで知人たちからオススメされた『呪術廻戦』に手を出すことになった次第だ。
・東堂大好き
で、私が読んでいたのは「渋谷事変」のちょっと先まで。正直かなり理解度は低かったが、それでも呪術廻戦は面白いと思えた。好きなキャラはブッチギリで「東堂 葵」である。魂の喝采!
一方で「じゃあ五条先生の能力って何なの?」と聞かれても「サッパリわからない」というのが正直なところ。登場キャラの能力をきちんと言えるのは、それこそ東堂くらいだろう。……いや、それも怪しい。
つまり、逆説的に言えば「そこまで理解していなくても面白いなら、理解したらもっと呪術廻戦は面白くなる」と言えるのではないか。大人たるもの、五条先生の能力を論理的に説明できるスマートさが欲しい。
・読み直してみた
というわけで、渋谷事変の後の「死滅回游(しめつかいゆう)編」あたりから呪術廻戦を読み返すことに。よっしゃ、一人前の呪術廻戦マスターになるぞーーー! 俺自身が特級呪術師になるんや!!
そして数日後──。
全然わからねえ……。
サッパリわからねえ……!
なんなら前よりもわからねえよ……!!
当然のことながら、ざっと読まずに丁寧に文字を追った結果である。というか、五条先生がどんな理屈で解放されたのかもよくわかってねえよ……!
・連鎖
また「どのくらいわかってないのか?」と聞かれたら「どこから読み返せばいいのかすらわからないほどわかっていない」としか答えようがない。お恥ずかしながら終始 “見失いの連鎖” が止まらなかった。
一方で、それでも面白いと思えたのが『呪術廻戦』の凄さなのかもしれない。極端に言えば、画だけで伝わる凄みや勢いが呪術廻戦にはあった。ある意味で往年のジャンプ漫画の遺伝子を強く持ち合わせた作品だ。
また言い訳がましいことを1つだけお伝えさせていただくと、心の中の描写などの細いフォントが老眼のせいで読めすらしなかったことは痛恨の極みである。理解できる、出来ないの問題じゃない……字が読めないんだ。
・それでも面白い(断言)
ただそれでも「うおおおおおお!」と興奮するシーンもあれば、ジーンと来るシーンもあった。東堂に次ぎ、秤 金次(はかり きんじ)というお気に入りキャラが出来たことは収穫である。確率変動突入!!
なので、私と同じ年代の未経験者にも「呪術廻戦は読んだ方がいいよ」と自信を持ってオススメできる。あの頃のジャンプ作品だって、全てを理解してたわけじゃない。それでも楽しかったでしょ? それと同じ理屈である。
とにもかくにも、まだ未読のおっさんたちにも機会があればぜひ『呪術廻戦』をご一読いただきたい。「よくわからないけど面白い」──。俺たちの少年ジャンプ魂は今なお健在だ。
参考リンク:アニメ呪術廻戦公式サイト
執筆:P.K.サンジュン
Photo:RocketNews24.