犬が高齢になったとき絶対やってはいけない『散歩方法』3選 逆効果となるタブー行為とは?
犬が高齢になったとき絶対やってはいけない散歩方法は?
散歩は運動不足やストレスの解消だけでなく、筋力の維持や向上、認知症予防にも有効です。そのため、高齢犬になっても、できる限り散歩を続けたほうがよいとされています。
しかし、散歩のやり方によっては、高齢犬の体に負担がかかり、健康を損なう恐れがあります。健康維持のための散歩が、逆効果になってしまうことがあるのです。
ここでは、犬が高齢になったとき絶対やってはいけない散歩方法を3つご紹介します。
1.長時間散歩する
高齢犬は体力や筋力が衰えているため、長時間の散歩は大きな負担になります。若い頃は平気だった30分〜1時間程度の散歩も、高齢になるとつらくなってきます。
無理な散歩を続けていると、関節に痛みが出たり、心臓に負担がかかったりする恐れがあります。また、犬が散歩を嫌がる原因になることも。散歩を拒否するようになることで、ますます筋力が低下したり、肥満のリスクが高まったりする可能性があります。
散歩量は犬の体力に合わせて調整し、無理のない範囲で散歩を楽しむことが大切です。
2.暑さや寒さが厳しい時間帯に散歩する
犬は高齢になると、体温の調節機能も衰えてくるため、暑さや寒さに弱くなり、熱中症や低体温症を発症しやすくなります。そのため、暑さや寒さが厳しい時間帯に散歩をするのは危険です。
夏場の日中や、冬場の早朝や夜遅くの散歩は避け、快適に散歩できる時間帯を選んで散歩するようにしましょう。
3.速いペースで散歩する
若くて活発な犬は歩くペースが速く、気づくと飼い主さんも早足になっているのはよくあることです。しかし、体力が衰え、足腰も弱くなっている高齢犬にとって、速いペースでの散歩は大きな負担となり、息切れや関節痛を引き起こす可能性があります。
運動不足を防ぐことは大切ですが、無理に速いペースで歩かせる必要はありません。犬が若い頃の感覚のままで散歩していると、ペースが速くなってしまいがちなので注意しましょう。
高齢犬の散歩のポイントは?
高齢犬の散歩は、無理のない範囲で楽しむことが大切です。では、そのためにはどのような点に注意したらよいのでしょうか?以下では、高齢犬の散歩のポイントを解説します。
1.体力に合った散歩量やコースにする
散歩の量やコースは、犬の体力に合わせて調整することが大切です。体力が衰えた高齢犬の散歩は、1回10分程度を目安に、1日2〜3回行うとよいでしょう。
高齢犬の散歩コースは、なるべく平坦な道を選ぶことが推奨されます。しかし、上り坂を歩くことは、衰えやすい後ろ足の筋力アップにつながります。そのため、年を取っても元気に歩けるうちは、緩やかな坂道をコースに組み込むのがおすすめです。
また、硬い地面は犬の関節に負担をかけるため、できるだけ柔らかい土や芝生の上を選んで歩かせてあげましょう。
2.犬のペースに合わせる
高齢犬は、若い頃のように速いペースで歩くことが難しくなっています。飼い主さんは、犬の歩くペースに合わせて、ゆっくり散歩することを心がけましょう。そうすることで、犬もリラックスして散歩を楽しむことができます。
また、散歩中に犬が疲れている様子を見せたり、座り込んだりした場合は、無理に歩かせずに休憩を取りましょう。しばらく休んでもまだつらそうであれば、抱っこしてあげたり、帰宅したりするなど、犬の様子を見ながら対応してあげてください。
高齢犬の散歩では、犬のペースに合わせてあげることが非常に重要です。
3.気温や天候に配慮する
高齢犬は体温の調節機能が低下するため、気温の影響を受けやすいです。特に夏の暑さと冬の寒さは、高齢犬の体に大きな負担をかけるため、散歩の時間帯には十分な注意が必要です。
夏は、比較的涼しい早朝や日没後しばらく経ってからの散歩がおすすめです。一方、冬は朝晩が冷え込むため、日中の暖かい時間帯に散歩するのが理想的です。
また、雨や雪の日の散歩は、体に負担がかかるだけでなく、滑りやすい路面での転倒リスクもあります。天候の悪い日は散歩を控え、室内で遊ぶようにしましょう。
まとめ
健康維持のためには、高齢犬になってもできる限り散歩を続けることが大切です。しかし、高齢犬は体力や筋力が衰えているため、無理は禁物です。長時間の散歩、暑さや寒さが厳しい時間帯の散歩、速いペースでの散歩は避けましょう。ぜひ本記事でご紹介した高齢犬の散歩のポイントを参考に、無理のない楽しい散歩を心がけてくださいね。
(獣医師監修:寺脇寛子)