【加東】古民家カフェ「食乃助」酵素玄米と重ね煮のみそ汁で体の調子を整えて♪ヴィーガンスイーツも
2025年4月、加東市永福にオープンした「食乃助(しょくのすけ)」。酵素玄米と重ね煮のみそ汁が主役の食事を提供する古民家カフェです。オーガニック食材や敷地内で採れる野草を取り入れ、古式調味料で丁寧に味付け。体に負担の少ない料理の数々は、体も心も潤います。パティシエお手製の、植物性由来のグルテンフリースイーツも要チェック。
・「食乃助(しょくのすけ)」
「ひょうご東条IC」から北へ車で約5分、雄大な自然に囲まれた場所に位置する「食乃助(しょくのすけ)」。2025年4月1日にオープンした古民家カフェです。
営むのは、子どものアレルギーをきっかけに食と向き合うようになった二児の母。穀物や野菜を中心として動物性の食材を控える「マクロビオティック」という食事法を基に、食材や調味料にこだわった健康的な食事を提供しています。
店名に込められたのは、“食の助けになりたい”という店主の思い。その噂は瞬く間に広がり、病を患った経験のある人や健康意識の高い人が次々と訪れ、毎日のように通うリピーターもいるんだとか。
おそらく築100年を超えるであろう建物は、古民家リノベーションを専門とする職人によって蘇らせました。梁(はり)見せ天井は開放感があり、番傘で覆われた照明が独特の雰囲気を醸(かも)し出してくれます。
墨汁をスプレーすることで雲のようなデザインを施した床や、麻炭とベンガラという天然顔料を使って柿の木とトンビを描いた壁など、細部にまでこだわりが満載。奥にある個室の床下には、400リットルもの竹炭を埋めているんだそう。
半円型のちゃぶ台は、なんと酒樽のふたを天板にリメイクしたというから驚きです。周りを見渡せば、蔵から出てきた土器、陶器を表装した掛け軸、まだ音の鳴る蓄音機など、古道具やアンティーク家具ばかり。
骨董品屋で手に入れたものやご近所さんから譲り受けたものなどが飾られ、まるでタイムスリップしたような気分に浸れます。
・酵素玄米と重ね煮のみそ汁を味わう『ひとはし膳』
『ひとはし膳』(モーニング)850円/(ランチ)1,000円
食事メニューは『ひとはし膳』のみ。酵素玄米、重ね煮のみそ汁、数種類のおかず、漬物がセットになっています。7:30~11:00にオーダーすれば、ランチと同じ内容ながら150円もお得に楽しめるのがうれしいポイント。箸置きはもともと、一口食べて箸を置き、ゆっくり噛んで食べるためにあったことがメニュー名の由来になっています。
食材は、加東市の「よつばfarm」から仕入れるオーガニック野菜などをメインに、旬の素材を厳選。敷地内で育った朝採れの野草も積極的に取り入れています。
ごはんは、丹波産の無農薬コシヒカリ、ヒマラヤの塩、北海道産の黒千石大豆を合わせて炊いた酵素玄米。日が経つにつれ発酵が進んで消化しやすくなり、栄養価がアップします。玄米特有のパサつきはなくモチモチとした食感が魅力で、玄米の概念が覆(くつがえ)されるかも。
※酵素玄米…玄米を小豆と塩と一緒に炊き、3日程度保温して発酵・熟成させたもの
その時々によって異なる複数の野菜を層状に重ね、ゲランドの塩だけで煮込んだ「重ね煮」から作るみそ汁も自慢の一品です。取材日は、マイタケ、エノキ、タマネギ、ハクサイ。素材本来のうま味が引き出され、だしを入れなくても奥深い味わいになります。
みそは、黒千石大豆という在来種から作っています。そのみそを、すり鉢で15分ほどするという一手間を加えることで、角が取れてまろやかな風味に仕上がるんだそう。
数種類のおかずはすべて日替わりで、取材日は、「ミツバの白みそ和え」、「ノビルのネギ坊主の醤油漬け」、「カラムシ団子」などが登場。野草は丁寧にアク抜き後、「ヤマヒサ」の醤油や「三河みりん」などの古式調味料で味付けされているので、ごはんが次々に進みます。
箸やお椀はすべて、一つひとつ絵柄の異なる漆器。その美しさもさることながら、輪島塗りの箸は口当たりのよさが魅力。伝統的な日本の食文化に触れることで食事がより豊かになり、五感を研ぎ澄ませながら最後の一口までおいしく食べられること間違いなしです。
・植物性素材で作るグルテンフリースイーツ
『パフェ』1,580円
※季節によってフルーツが異なる。写真はイチゴ
自家製スイーツはグルテンフリーかつ乳製品や白砂糖は不使用。シフォンケーキ以外は、動物性の食材も使用していません。季節のフルーツが主役のパフェは、パティシエが出勤している週2日だけのレアメニューで、スケジュールは公式Instagramで確認できます。
取材日の『いちごのパフェ』に盛り付けられていたのは、イチゴとラズベリーのソース、アーモンドクリーム、甘酒グラノーラ、甘酒アイスクリーム、メープルでコーティングしたヘーゼルナッツ、米粉のクッキーなど盛りだくさん。アガベシロップやきび糖の自然な甘さが広がり、決して重たく感じないから不思議です。それでいて、植物性の素材だけで作ったとは思えないほどの満足感が得られます。
今後はパイナップル、イチジク、ブドウなどが登場する予定なのでお楽しみに。
『ノスケーキ』580円
ニューヨークチーズケーキのような濃厚な味わいを再現した『ノスケーキ』も要チェック。豆乳ヨーグルトを主体に、メープルシロップや甘酒で甘みを調整しています。隠し味に白みそを加えることで、コクをプラス。添えられた優しいアーモンドクリームとの相性も抜群です。
『米粉シフォンケーキ』480円
米粉、きび糖、豆乳、なたね油、卵といったシンプルな材料で作るシフォンケーキも人気。気候によって異なる卵の水分量に合わせ、材料の配合を微調整しています。メレンゲを丁寧に泡立てたきめ細かな生地は、スチームコンベクションオーブンで焼き上げることで、しっとりふわっとした食感を実現しています。
・容量たっぷりのオリジナルドリンクも豊富
『抹茶エスプレッソラテ』、『カフェリモーネ』各700円
オリジナルドリンクも豊富に用意しています。独特な形のグラスの中で3層に分かれたビジュアルが目を引く『抹茶エスプレッソラテ』。上品な抹茶、濃厚なエスプレッソ、コク深い黒糖をミルクで見事に調和した、ほろ苦さがくせになる大人な一杯です。
『カフェリモーネ』は、エスプレッソで作った、レモンティのような新感覚ドリンク。優雅な香りがふわっと広がり、スッキリ爽快で暑い季節にぴったり。容量もたっぷりで、ゆったりとしたカフェタイムを過ごせます。
『オーガニックルイボスティー』600円
高貴な香りに癒やされるルイボスティーもおすすめ。ポリフェノールやミネラルが豊富で、口当たりさっぱりなので食事のお供にもGOOD。ポットで提供してもらえ、注ぐとハート型になるかわいらしいカップに乙女心をくすぐられます。
古き良き時代を思わせる空間で、体を労わる食事に満たされるカフェ「食乃助」。「食にはさまざまな選択肢があることを知り、考えるきっかけになってもらえたらうれしい」と店主は話します。いずれは敷地内で宿泊施設も運営予定だそう。家族や友人とはもちろん、おひとり様でも過ごしやすい雰囲気なので、気軽に訪れてみてはいかが?
■詳細情報
■DATA
食乃助(しょくのすけ)
所在地
兵庫県加東市永福443-1
電話番号
090−6662-7845
営業時間
7:30〜16:00