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「人気俳優のハゲっぷりに思わず二度見」恐怖と笑いが混在する上空アクション『フライト・リスク』はメルギブ最新作

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「人気俳優のハゲっぷりに思わず二度見」恐怖と笑いが混在する上空アクション『フライト・リスク』はメルギブ最新作

マーク・ウォールバーグ主演! メルギブ監督最新作

いつの間にかメルギブの愛称も定着した大物俳優、メル・ギブソン。サスペンスからヒューマンドラマまで制覇したアクションスターは監督に転身してからも見事な実績を残してきた。主演も兼ねた『ブレイブハート』(1995年)はアカデミー賞で作品賞ほか5部門を受賞し、2006年の『アポカリプト』も3部門にノミネートされている。

そんなメルギブの監督最新作が3月7日(金)より全国公開中の『フライト・リスク』。クローズドな舞台のサスペンス・アクションで、公式のあらすじからは規模を小さくした『コン・エアー』(1997年)みたいなお話を想像するかもしれないが、90年代~00年代初期の勢いを持ったアクション映画が好きならばきっと楽しめる快作だ。

『フライト・リスク』©2024 Flight Risk Holdings, LLC. All Rights Reserved

「お前、誰?」から始まるドタバタ上空アクション

連邦保安官補のハリスは、重要参考人ウィンストンを航空輸送する機密任務に就く。小型機の操縦を担当するというベテランパイロットのダリルは、陽気な会話でハリスの緊張をほぐしていく。

離陸した一行が乗る機体は、アラスカ山脈上空10,000フィートまで上昇。タイムリミットが気になるハリスだが、頼もしいダリルのおかげで順風満帆な航行になるかに思えた。

しかし、後部座席に繋がれていたウィンストンが足もとに落ちていた操縦ライセンス証を何気なく見ると、そこには目の前に座るパイロットのダリルとは全くの別人が写っていて……。

『フライト・リスク』©2024 Flight Risk Holdings, LLC. All Rights Reserved

観客支持高し! 90年代アクション好きにもオススメ

本作は某辛口レビューサイトで批評家スコアと観客スコアの点数が乖離していることからも分かるように、堅苦しいことは抜きにして楽しみたいという映画ファンをメインに受け入れられている模様。あらすじで説明されている通り「誰、こいつ!?」からの丁々発止のアクションと、逃げ場のない上空での「これからどうする?」な絶体絶命展開、それらを安っぽくならずにしっかりハラハラさせてくれるのは、さすがメルギブといったところか。

『フライト・リスク』©2024 Flight Risk Holdings, LLC. All Rights Reserved

キャストは言わずもがなのマーク・ウォールバーグに、ドラマ『ダウントン・アビー』(2010~2015年)のメアリー・クローリー役で知られるミシェル・ドッカリー、そしてサム・ライミ版『スパイダーマン3』(2007年)でヴェノムを演じたトファー・グレイス。それぞれ演じるのは「殺し屋兼パイロットのダリル(見栄っ張りの悪人)」、「保安官補ハリス(スネに傷を持つ公務員)」、「マフィアの元会計士ウィンストン(虫も殺せない小悪人)」。このキャストを集められるのもメルギブだからこそだろう。

『フライト・リスク』©2024 Flight Risk Holdings, LLC. All Rights Reserved

実力派キャスト陣の掛け合いに注目

冒頭からジャブ的に軽い下ネタをぶち込み、当然のような顔でブラックジョークも挟み込む本作。風通しの良すぎる頭頂部を搭載されたマーク・ウォールバーグはインパクト大で、これまでコメディ等で見せてきた饒舌キャラをここぞとばかりに開放する。殺し屋としての目的を逸脱したゲスっぷりは重厚さとは無縁だが、厄介な悪役としては満点だ。

『フライト・リスク』©2024 Flight Risk Holdings, LLC. All Rights Reserved

ミシェル・ドッカリーはどこか『マトリックス』のキャリー=アン・モスのような雰囲気をまといつつ、決断の速さとズッコケ的な詰めの甘さで物語をドライブさせる役どころ。エミー賞とゴールデングローブ賞にノミネートされた『ダウントン・アビー』でのイメージはもちろん、古典舞台劇などで培ったであろう高潔なオーラをメタ的に活用してみせている。

『フライト・リスク』©2024 Flight Risk Holdings, LLC. All Rights Reserved

そんな2人のスター俳優と並んでイイ仕事をしているのがトファー・グレイスで、イリーガルな会計士というサスペンスでは定番のキャラクター像に大きな魅力を付与。ケチでヘタレな罪人ではあるもののなぜか嫌いになれないキャラで、大半が一般人であろう観客の感情移入も担う。さらに声だけの登場人物もうまく使っていて、捜査の裏にある陰謀を匂わせて緊張感を高める。

『フライト・リスク』©2024 Flight Risk Holdings, LLC. All Rights Reserved

“洋画劇場世代”にはたまらない? 後味もスッキリな快作アクション

そもそも小型飛行機の中でほぼ完結するお話なので、キャストの力に頼る部分は大きい。約1時間半の上映時間のうち3人+αのやり取りがメインになるし、上空でドカンと派手なアクションを展開するわけにもいない。撮影スタジオ内に用意された飛行機のセット内でハラハラドキドキの緊迫感を生み出したのはキャストの貢献であり、メルギブが相当の信頼を寄せて任せたであろうことも伺える。

『フライト・リスク』©2024 Flight Risk Holdings, LLC. All Rights Reserved

低予算だが限定的なシチュエーションのためCGも背景使用程度で、かつ違和感を感じさせないクオリティ。ご都合的な部分もあるにはあるが、ドタバタの中でも人間の複雑な感情をじわっと描いているので後味は良い。とにかく変に気合を入れて観に行く必要はなく、なんでマーク・ウォールバーグがハゲてんの? くらいの前情報で観たいところ。劇場にふらっと入って観たアクション映画が面白くてすっかり見入ってしまった、系のラッキー&満足感を与えてくれるはずだ。

『フライト・リスク』は3月7日(金)より新宿バルト9ほか全国公開中

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