マルちゃん正麺新作「にんにく塩担々麺」は〝某ご当地ラーメン〟に瓜二つ? マニアが舌で徹底検証
マニアと味わう「ご当地カップ麺」の世界
【画像つきレポート】「マルちゃん正麺カップ にんにく塩担々麺」レビュー
第百五十回 東洋水産「マルちゃん正麺カップ にんにく塩担々麺」
文・写真:オサーン
カップ麺ブロガーのオサーンです。
「ご当地カップ麺」連載の第百五十回目となる今回は、東洋水産の「マルちゃん正麺カップ にんにく塩担々麺」を紹介します。
当連載はご当地カップ麺のレビューとして、地域色の強いカップ麺やご当地麺を再現したカップ麺をご紹介してきました。
今回のカップ麺「マルちゃん正麺カップ にんにく塩担々麺」は一見、ご当地カップ麺に見えないかもしれません。実際、メーカーサイトやパッケージにもご当地麺の再現カップ麺であるなんてことは全く記載されていません。
ただ、筆者には心あたりがあります。
「ニュータンタンメン本舗」の味にソックリ!?
「塩担々麺」というフレーバーは、過去にも東洋水産の「ごつ盛り」「マジ盛」「正麺カップ」といった人気シリーズで登場しています。
一方で、東洋水産以外のメーカーから「塩担々麺」という商品を見かけたことはほとんどありません。
一般的な担々麺のスープは、練りごまを効かせた醤油味や味噌味がベースですが、東洋水産の「塩担々麺」カップ麺はそれらとは特徴が異なります。
練りごまが入っていない塩味ベースのスープで、ニンニクを効かせ、かきたまがたっぷり。
これは、神奈川・川崎のソウルフード「ニュータンタンメン本舗」と瓜二つなんです。
神奈川県のご当地麺といえば横浜の家系ラーメンやサンマー麺などが全国区の知名度を誇りますが、お隣の川崎や東京などで店舗展開する「ニュータンタンメン本舗」もご当地麺としておなじみ。
同店が監修した、いわゆる〝公式カップ麺〟はサンヨー食品から商品化されています。
今回の「マルちゃん正麺カップ」の新作は「ニュータンタンメン本舗」の味を再現しているものではないと思われますが......どんな仕上がりなのか、確かめてみましょう。
「マルちゃん正麺カップ にんにく塩担々麺」の内容物
別添袋は3つ入っており、うち2つは「かやく」の袋となっています。
カップにはあらかじめ麺のみが入っていました。
先入れの「かやく」2袋を麺の上に開けた状態。
一方の袋には大量のかきたま、もう一方には挽肉や唐辛子が。「ニュータンタンメン」の特徴と一致する構成となっています。
辛味とニンニクを効かせた塩味スープ
唐辛子の辛味とニンニクのキレを加えた塩味のスープに、中太ストレートのノンフライ麺と、挽肉、かきたま、唐辛子が組み合わせられています。
スープは、豚ガラベースにニンニクや辛味を効かせた塩味。
昔ながらの中華そば風の塩味スープにニンニクと辛味を効かせており、川崎の「ニュータンタンメン」の味にかなり近い味となっています。
「ニュータンタンメン」のカップ麺はあっさりしているのですが、「マルちゃん正麺カップ」のスープは味が濃く、ニンニクや辛味のパンチも強く感じました。
味をハッキリくっきりさせた「ニュータンタンメン」という印象です。
辛さも「ニュータンタンメン」のカップ麺より上で、中辛~辛口程度ありました。
豚ガラのスッキリした旨味に加えてニンニクのキレもあり、辛味の強さとのバランスは良好。
「ニュータンタンメン」のカップ麺ではもう少しごま油が目立っている印象ですが、それを除くとニュータンタンメンの味を濃くしたようなスープでした。
「ニュータンタンメン」とはどこにも書かれてませんが、少なくとも練りごまの入った一般的な担々麺よりも「ニュータンタンメン」に近いのは間違いありません。
「正麺」らしいノンフライ麺と「ニュータンタンメン」らしい具
麺は中太ストレートのノンフライ麺。
麺表面のつるみと弾力の強さが特徴的な多加水麺食感で、「ニュータンタンメン」の麺や、低加水麺が多い担々麺と比べて主張の強い麺となっています。
スープの辛みやニンニクが強くてパンチがあるので、太くて主張の強い麺と合わせてもバランスは良好でした。
「マルちゃん正麺カップ」は生麺食感のコシの強いノンフライ麺が特徴で、麺は「ニュータンタンメン」や担々麺よりも「マルちゃん正麺カップ」らしさを追求しています。
具は、挽肉、かきたま、唐辛子の組み合わせ。
スープや麺と比べて具は特にそのまんま「ニュータンタンメン」です。
辛味やニンニクでエッジの立ったスープに対し、かきたまの甘みがアクセントになっており、スープの赤色に対しかきたまの黄色が映えていました。
「ニュータンタンメン」らしさと「正麺」らしさの共存
辛味や味を強くしたスープやかきたまや挽肉がたくさん入った具は「ニュータンタンメン」らしさが強いのに対し、弾力の強いノンフライ麺は「マルちゃん正麺カップ」の特徴で、両者の良いところが組み合わせられた一杯でした。
今回の商品のように、まったく公表されていなくても、ご当地麺を再現していると思われるカップ麺はいくつもあるので、自分でいろいろ探してみるのも面白そうです。
筆者:オサーン
カップ麺ブロガー。十数年前に出会った「日清麺職人」のおいしさに感激したことがきっかけでブログを開設。「カップ麺をひたすら食いまくるブログ」で毎週発売される新商品を食べて毎日レビューしています。豚骨スープとノンフライ麺の組み合わせがお気に入りですが、実はスープにごはんを入れて食べるのが最も至福の時です。 X(@ossern)