【相模原市緑区】東橋本 宮上横山線が開通 町田市と往来スムーズに
東橋本と町田市小山町をつなぐ都市計画道路・宮上横山線が9月27日に開通した。相模原市と町田市の相互アクセスの向上などを目的に2016年から整備が進められてきた。地域住民からは「やっと開通した」という声が多く挙がっている。
開通した宮上横山線は、東橋本2丁目交差点から、町田市の多摩ニュータウン入口交差点を結ぶ約670メートルの都市計画道路。道路の全幅は18メートルで車道は片側1車線。歩道は各4・5メートルあり、自転車通行帯も設けられた。開通により、国道16号の南橋本一丁目交差点から南大沢を越えて多摩川までが1本の道でつながったことになる。
同日は、道路の開通前にセレモニーが行われ、多くの地元住民や関係者が集まった。本村賢太郎市長は、「悲願である宮上横山線がつながり、県境を越えて町田市とはさらに絆が深まると思っている。町田市と共に経済、文化、スポーツ、地域交流、さまざまな点で交流をしてワクワクする相模原をつくっていきたい。地域の皆さまには大変お待たせいたしました」とあいさつ。続けて境川に新しく架かった「多摩境橋」について触れると、「橋の名前は町田市民、相模原市民が中心に話し合って決めた。ぜひ皆さんの心に残ればうれしいし、地域で決めた名前ということで大変誇らしいと思う」と話した。
町田市の石阪丈一市長は、「町田と相模原の発展にとって大変重要な道で、長い歳月を掛けてつくってきた。地元の皆さんの協力があってできた」と感謝を示すと、「いつも町田街道から橋本側に行く時は(京王線の)線路の下の道を通っていた。交通事情としては危険な道路ではあったが、あそこを通るしかなかった。そういう意味で、交通事故の危険も減るし、この町の発展にもつながる大変意義のある道だと思う」と話した。セレモニーの後に渡り初めが行われると、道路が開通した。
より安全に
セレモニーを見ていた東橋本で事業を営む経営者の男性は「工事を長くやっていてようやく開通になった。車両は便利になるし、今まで細い道を使っていた車両が新しい道に移るだろうから、安全性も高まるのではないか。周辺の道が渋滞していたので周りに良い影響があればいいと思う」と話す。
東橋本で子どもの登下校の見守り活動をしている男性は「交通量の多い周辺道路が通学路に掛かっている場所もあるため、子どもたちの安全のために見守り活動を行っている。細い道に入ってくる車が宮上横山線の開通によりそちらに流れることで、通学路を利用する子どもたちの安全にもつながるのでは」と期待を寄せる。相模原北署の交通課の担当者は「住宅街を抜ける車が減ることで事故は減るのではないか」と予測する。
新たな渋滞を懸念
周辺道路の渋滞解消を目的の1つに開通した宮上横山線だが、開通直後から断続的に渋滞が見られる。
さらに、宮上横山線の開通に喜びの声が挙がる一方で、南側にあるJR横浜線の小原踏切周辺の渋滞を心配する声も挙がっている。開通以前も踏切待ちによる周辺の渋滞が多く見受けられたため、地域住民の中には「踏切の渋滞がさらにひどくなるのではないか」と不安を抱いている人もいるという。
踏切周辺の渋滞解消については、本村市長が開通セレモニーのあいさつの中で、「今、庁内で連続立体ができないかという議論をしているところ。より良い道路の強靭なネットワークをつくっていきたい」と対策を検討中であることを示し、渋滞緩和に向けた議論を進めていることを強調した。