ピックアッププレーヤー バレーボール男子 新エースに名乗りを上げる嵯峨史都(大分南1年) 【大分県】
姉、兄の影響で小学3年からバレーボールを始め、中学では県選抜に選ばれるなど名の知れた嵯峨史都(1年)。高校は「成長するために強いチームでもまれたい」と県内では常にトップを争い、兄がエースとして活躍した大分南を選んだ。
今年1月の春の高校バレーでは大分南の歴代最高成績となるベスト16進出の原動力となり、続く県高校新人大会でも攻守で勝利に貢献した。井出平夏和(2年)、宮永晃宏(同)の両サイドと共に、今後チームをけん引していく存在になるのは間違いない。
身長170cmはバレーボール選手としては決して大きい方ではないが、ジャンプ力があり、冷戦沈着。ミスも少ない。コートの中では1年生ながら上級生を鼓舞するなど気持ちの強さもみせる。自他共に認める武器はスイングスピードの速いサーブ。春の高校バレーではハイブリットサーブを使ったが、県新人では「サーブで崩して、ブロックで仕留める」という目標を掲げ、パワーのあるジャンプサーブに絞って会場を沸かせた。キャプテンの井出平は「レシーブと機動力はピカイチ。頼りになる存在」と大きな信頼を寄せている。
冷静なプレーでポイントを重ねる嵯峨史都
嵯峨のたゆまぬ努力が活躍につながっている。「高校に入って最初の大会で同じ中学だった仲本(路惟)と大久保(希音)がレギュラーに抜てきされ、自分も負けられないと思った。パワーと高さを身に付けるためにジャンプやウエートトレーニングに励んだ。姉や兄にアドバイスをもらうこともあった」。これまでのキャリアや才能に甘えることなく、謙虚に、ひたむきに上を目指してきた。その努力は現在も継続中だ。
バレーに対する思いも人一倍強い。「とにかくバレーが大好き。スパイクを決めた瞬間や、レシーブ、サーブなど一つ一つのプレー全てが楽しい。試合は最高。練習をキツイとか、大変だと感じたことは一度もない。バレーができる時間が幸せ」と、あどけなさの残る顔で笑う。好きだから強くなりたい、楽しいからもっと練習したい―。純粋な気持ちを原動力に「攻守両方でチームを支えられるような選手」を目指す。
新エースとして期待がかかる
(甲斐理恵)