LGBTQ+への取り組みを評価 931社が応募した「PRIDE指標2025」受賞事例を紹介
「PRIDE指標2025」の結果が、11月14日に発表された。10回目となる今回は、総計931社の企業・団体が応募し、ゴールド認定750社を含む922社が認定を受けた。
発表は、一般社団法人work with Prideが実施する「work with Pride 2025カンファレンス」において、2025年の「レインボー認定」とあわせて行われた。「PRIDE指標2025」認定企業・団体数は、ゴールド認定が750社(グループ・ホールディングス内複数社連盟による応募を含む、以下同)、シルバー認定が119社、ブロンズ認定が53社だった。
「PRIDE指標」は社内施策を推進するためのガイドライン
「PRIDE指標」は、企業などにLGBTQ+が働きやすい職場の要件を認識してもらい、社内施策を推進するためのガイドラインとして活用してもらうことを目的として策定された。毎年、指標に対する企業などの取り組み状況や取り組み事例を募集。優れた企業を表彰し、ベストプラクティスを可能な範囲で公開している。5つの評価指標の名称は、以下の通り、PRIDEの各文字に対応している。
・Policy(行動宣言)
・Representation(当事者コミュニティ)
・Inspiration(啓発活動)
・Development(人事制度・プログラム)
・Engagement/Empowerment(社会貢献・渉外活動)
全社員対象の研修、ニュースレター発行や映画上映会開催など各社の取り組み
最上位である「ゴールド」認定を受けた企業の主な取り組みは以下の通り。
・森永製菓(東京都港区)2025年6月を「LGBTQ+理解促進の強化月間」として、ニュースレター発行など、性的マイノリティについての理解を促す情報発信を行ったほか、関係会社を含む全従業員対象に、希望者参加型の性的マイノリティをテーマにした映画の上映会を実施した。同社は今回が初のゴールド認定となった。
・アシックス(神戸市中央区)マネジャー職に向けたガイダンスを作成。プライド月間中に国内外15の地域でプライドラン・ウォークを開催し、社員438人が参加した。
・コカ・コーラ ボトラーズジャパン(東京都港区)10月、希望する社員を対象にジェンダーに関するホルモン療法費用を一部補助する施策を導入。ファミリーマート(東京都港区)と連携し、10月11日の「国際カミングアウトデー」に合わせた合同イベントを開催した。
・サンゲツ(東京都千代田区)同性パートナーシップ制度を導入し、定期的に全社員対象のLGBTQ+研修を実施。2025年には同性婚の法令化を推進するBMEのイベントを本社で開催し、社外との連携を強化している。
・住友林業(東京都千代田区)社内ポータルサイトへLGBTQ+啓発イベント情報を掲載し、オリジナルのアライステッカーを社員に配布。2025年からは6月のプライド月間に合わせ、オンライン会議用の背景画像も配布した。
・サッポロビール(東京都渋谷区)2025年に社内アライコミュニティを立ち上げて、定期交流会などを実施。6月を啓発月間とし、グループ全社員がLGBTQ+関連書籍を社内で閲覧できる環境を整備している。
・東京電力グループ(東京都千代田区)全社員を対象としたLGBTQ+に関する対話型ワークショップ開催。DEIガイドブックの作成、LGBTQ+を含むDEI理解を深めるための社員必修型eラーニング(全5回)実施した。
・NTTデータグループ(東京都江東区)10月にLGBTQ+の理解促進を目的とした役員・社員対象の映画上映会を開催し、上映後のトークセッションには当事者社員2人が登壇。2025年にアライコミュニティーを設立し、初回ミーティングは「理解を行動につなげるために何ができるか」をテーマに開催した。
また、38の企業が「レインボー認定」の評価を受けた。これは、セクターを越えて協働し、LGBTQ+の人々が自分らしく働ける職場・社会づくりの実現に、中長期的に取り組む姿勢を示す企業を後押しするもの。ゴールド認定を獲得していることや、LGBTQ+に関する法制度の実現に企業・団体として公に賛同表明していることなどが要件となっている。
work with Prideのウェブサイトでは、PRIDE指標の詳細や応募要項、実行委員会参画企業の取り組み事例や、「LGBTQ+アライガイドブック」が確認できる。