「ちばチャン」で女ひとり飲みのハズが、ただの大食いチャレンジになってしまった話
ひとり飲み、それは現代を生き抜く大人のささやかな癒やし。静かに酒をあおり、適度につまんで、ほどよく酔って帰る……はずだった。
しかし私が足を運んだのは、静けさとは無縁の「バカ盛り」でおなじみの、大衆酒場ちばチャン。今回はそんなちばチャンでの死闘をお届けするぞ。
・ちばチャンとは
ちばチャンは、「千葉県から日本一の居酒屋を目指す!」という熱い想いのもと、2006年に創業された大衆居酒屋チェーンだ。千葉を中心に関東で店舗数を増やし、若者からおじサマまで幅広い層に支持されている。
今回訪れたのは池袋店。よりによって金曜の夜、女ひとりで突撃。店内は学生グループや会社帰りのサラリーマンで満席、アウェー感が半端ない。
だがここまで来たら楽しむしかない。まずはお通し「もやしの肉あんかけ」。普通にうまい。
量も適量で、ちょっと安心した……しかし悲劇はここから始まるのである。
・名物の「バカ」
ちばチャンのメニューは、いわゆる大衆居酒屋の王道ラインナップが中心だ。
焼き物、揚げ物、一品料理と、ひと通り揃っていて、価格は全体的にリーズナブル。学生グループが多いのも納得の財布に優しい仕様だ。そして特徴的なのは、普通サイズと「バカ盛り」が並列で存在していること。
唐揚げ・ポテト・枝豆など定番メニューが、急にとんでもねえボリュームで登場する。周りのテーブルを見ると、どの席でも何かしらのバカを頼んでいるあたり、やっぱり名物なんだなと実感する。
ドリンクはビール、ハイボール、サワーなど一通り揃っているが、もちろんここにもバカサイズがある。
せっかく来たからには、頼むのはもちろん「バカ」一択でしょう! ということで、とりあえず「生ビールバカ(1099円)」を注文。
そうして届いたビールがこちら。うん、期待通りでけえ。
腕が鍛えられそうな重量感だが、仕事終わりのビールはやはり最高である。
・牛タンのバカ
せっかくならばおつまみもバカにチャレンジしてみようとメニューを眺めていると、視界に飛び込んでくる「牛タン炙り焼きバカ(1738円)」の文字。牛タン好きの私としては、これはもう避けられない。
しかし、一人でいけるか不安になり、店員さんに量について訊ねてみると、「牛タンは30枚くらい」との回答。よし、30枚ならギリギリいける、むしろご褒美だ! と意気揚々と注文した。
そして届いた商品がこちらだ。
……。
多すぎやしません??
これ30枚って嘘だろ……と念のため数えてみたら、その数なんと約60枚。おっと、話が違うな。こいつぁ困ったもんだぜ。
・思ってたんと違う
そんなこんなで、ひとりゆっくりお酒を楽しむはずが、突如として大食いチャレンジが開幕してしまった。とはいえ味は普通にうまい。香ばしいし、厚さもちょうどいい。しかし問題は量である。
周囲のグループ客が談笑する中、私はひとり巨大ビールを片手に、山積みの牛タンと向き合っている。どう見ても様子がおかしい。それはまるでフードファイターの練習風景かの如く。
そして食べてビールで流し込むを繰り返す……が、減らない。
ここでビールを飲み干してしまったので「ひげ茶ハイバカ(748円)」を追加。
そして、再び食べる。……が、一向に減らない。
気づけば私は虚無状態になってしまった。
私はただ、ひとり飲みを楽しみたかっただけなのに……。
テーブルに鎮座する牛タンの山を前に、私はもう自分がどこに向かっているのか分からなくなっていた。
・そして敗戦
気合で食べ進めること数十分。ようやく残り20枚。
しかし、ここで箸が止まった。胃袋のスイッチが閉まってしまったのだ。もう無理、ギブアップ。
情けなさでいっぱいになりながら店員さんに相談すると、「テイクアウトできますよ、無料で容器もあります」とのこと。なんという救済システム‼︎
ありがとうちばチャン。感謝の思いでタッパーに牛タンを詰めながら、私のひとり飲みは静かに幕を閉じたのだった──。
・バカはひとりで食べるな、みんなで食べろ
ちばチャンは楽しい。美味しい。だけど「バカ盛り」は、ひとりで挑むと一瞬で戦場になる。
特別大食いでない限り、バカはみんなでシェアすべし。
以上、ひとり飲みのはずが大食いチャレンジとなった女の記録でした。
【総合評価】
・コスパの良さ:★★★☆☆
・1人飲みのしやすさ:★☆☆☆☆
【今回のお会計】
▼飲み物
・生ビール(バカ) 1099円
・ヒゲ茶ハイ(バカ) 748円
▼おつまみ
・お通し 473円
・牛タン炙り焼き(バカ) 1738円
→合計 4058円
参考リンク:ちばチャン
執筆:大島あさ未
Photo:RocketNews24.