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企業間で広がる「旧姓の通称使用」への理解、約6割が容認 課題は社外手続きの負担 TDB調査

月刊総務オンライン

企業間で広がる「旧姓の通称使用」への理解、約6割が容認 課題は社外手続きの負担 TDB調査

帝国データバンク(東京都港区)は3月14日、職場における旧姓の通称使用に関するアンケート調査を実施し、その結果を公表した。約6割の企業が旧姓使用を容認するなど、個人の自由を尊重する姿勢が確認された。

旧姓の通称使用、検討中を含めると7割超の企業が「容認」

調査によると、職場での旧姓の通称使用を認めているかを聞いたところ、「認めている」企業の割合は63.6%だった。「認めていないが使用について検討中」(6.9%)を合わせると、容認・検討中の企業は70.6%と、7割を超えた。

「旧姓の通称使用」状況

規模別では、「大企業」は78.7%と、全体平均(70.6%)を8.1ポイント上回った。一方、「中小企業」は69.2%、「小規模企業」は64.0%と平均を下回り、規模の大きい企業ほど旧姓の通称使用が進んでいることがわかった。

仕事の円滑化などのメリットがある一方、公的手続きなど管理面で課題も

調査では、容認する企業、容認しないとする企業それぞれに具体的な理由を尋ねた。

容認する企業は、「取引先に覚えてもらっている旧姓をそのまま使用した方が仕事がスムーズ(不動産)」「キャリア継続性の意味でも、旧姓使用のメリットの方は大きい(広告関連)」などのほか、「当人の会社でのアイデンティティと個人でのアイデンティティが区別できて良い」といった従業員個人の自由を尊重し多様性を認める声が多く挙がった。

容認しない企業からは、「給与の振込などで口座の名義が違うと面倒(飲食料品・飼料製造)」「免許や資格証では旧姓かどうかの確認が必要(建設)」など、旧姓・現姓両方の管理に伴う事務負担や煩雑さに関する意見が聞かれた。

半数以上の企業が旧姓の通称使用に「負担感なし」と回答

こうしたメリットとデメリット双方の意見がある中、旧姓の通称使用に対する企業の負担感についても質問した。その結果、「負担感はない」と回答した企業の割合は50.7%で半数を超えた。

「旧姓の通称使用」負担感

なお、容認する企業と容認しない企業における負担感は、容認企業では「負担感なし」の企業が65.6%と全体平均(50.7%)を14.9ポイント上回ったのに対し、容認しない企業での「負担感あり」は32.5%と、全体平均(13.6%)を18.9ポイント上回った。

「負担感がない」と回答した企業および「負担感がある」と回答した企業からは以下のような意見が寄せられた。

「負担感がない」とする企業の意見

 ・運用上の見直しで、円滑に進めていける(鉄鋼・非鉄・鉱業製品卸売)

 ・人事・労務管理で多少の負担もあるが、世情に合わせてシステム的に標準対応している(金融)

 ・本人確認が確実にできるのであれば(資格者証に旧姓併記など)、実務上は支障ない(建設)

「負担感がある」とする企業の意見

 ・企業は、従業員の本名・通称の両方を管理しなければならず、事務が煩雑になる。インボイス制度の導入などで事務量が増加しており、これ以上の負担増は止めてほしい(建設)

 ・社内的に旧姓使用を認めても、社会保障制度などで事務負担やミスが多くなりそう(その他サービス)

同調査は、3月7日から12日にかけてインターネットで実施し、1386社(大企業は197社、中小企業は1189社、うち小規模企業は470社)から回答を得た。

調査の詳細は同社の公式リリースで確認できる。

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