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自動車業界での新しいキャリア:キャンピングカービルダー(メーカー)で働く魅力と将来性

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自動車業界での新しいキャリア:キャンピングカービルダー(メーカー)で働く魅力と将来性

キャンピングカービルダー(メーカー)で働くことは、自動車業界でのキャリアとして新しい魅力的な選択肢になりつつあります。この分野は近年、アウトドアやキャンピングカーの人気が高まる中で注目を集めています。この記事では、その魅力と将来性について、キャンピングカー業界の大手、キャブコンを中心に製造販売を行う「VANTECH」の山形工場・店舗にお邪魔して取材してきたので詳しく解説します。

キャンピングカーの業界ってどうなの?

業界の現状

日本RV協会の調査「日本RV協会 年次報告書2023」によると、国内キャンピングカーの保有台数は、調査当初から増え続けており155,000台を突破。様々な車両タイプの流通や、車中泊をはじめとするアウトドアブームを皮切りに、ペットとの旅行や、防災対策、リモートワークとしての需要が拡大しています。
ドイツでは日本の約10倍の140万台のキャンピングカーが保有されており、世界の中でもトップクラスの需要があります。キャンピングカーの国内マーケットはさらなる成長が期待できます。

「日本RV協会 年次報告書2023」

主な需要の背景

アウトドアブーム
コロナ禍をきっかけに密を避ける旅行手段としてキャンピングカーが再評価されました。

バンライフ文化
若者を中心に「車での生活」を楽しむスタイルが流行。全国を旅しながら仕事をするインフルエンサーが旅のツールとしてキャンピングカーを利用しているパターンが増えているように、ソーシャルメディアでも注目を集めています。

リタイア層の需要
キャンピングカー購入層としても40代~60代が多く見受けられ、特に退職後の自由なライフスタイルを求めるシニア層に根強い人気です。

「キャンピングカービルダー」とは?

キャンピングカービルダーとは、簡単に言うとキャンピングカー業界の中で「メーカー」という立ち位置となります。ですが、何故「ビルダー」と呼ばれるかというと、自動車メーカー(トヨタや日産など)などからベース車を仕入れ、架装してキャンピングカーとして加工・販売するからです。
キャンピングカー業界の中では、製造販売しているため、「メーカー」という立ち位置になりますが、ベース車を購入して専用のシェル(外装や内装)を作る(build)するため「ビルダー」と呼ぶのが一般的です。

「キャンピングカービルダー」での職種と仕事内容とは?

キャンピングカービルダーは大きく分けて、キャンピングカーを作る「製造」部門と店舗で売る「店舗スタッフ/営業」の部門に分かれます。そして、製造の中にも新しいキャンピングカーを考える「設計」や、「メンテナンス」などいくつかの部署があります。
ではこのビルダーでは具体的にどんな仕事をしているか、今回はVANTECH山形工場と今年10月にオープンしたばかりの「VANTECH山形」のスタッフの皆様に取材してきましたので紹介します。

国内最大級のキャンピングカー工場「VANTECH YAMAGATA Factory」に潜入

VANTECH山形工場は2つ工場があり、第1工場がキャンピングカーの組み立てがメイン、第2工場がパーツの倉庫・加工がメインです。工場内には約80名の社員さんがいて、若い方に加え女性も多く働かれています。敷地面積は約32,000平方メートル、建物面積は約4,350平方メートル(第2工場を含む)で、国内最大級のキャンピングカー製造施設となっています。
この工場では、日本で唯一のドッキングシステムと効率化された自慢の生産ラインがあり、年間600台ものキャンピングカーが製造されています。

第1工場

第1工場はキャンピングカーではキャンピングカーの組み立てを行っており、ベース車から架装してキャンピングカーが完成するまで製造のラインがはっきりと分かれていて、キャンピングカーになるまでの工程が分かりやすく整理されていました。

ベース車の状態
キャンピングカーの住居となる部分
整理された製造ライン
最終点検

工場長の話によると、この工場は「効率化」を徹底していて、未経験の人が働いてもどこでどんな作業をしているかすぐにわかるように工夫しているとのことでした。

第2工場

第2工場は第1工場からすぐ近くにあり主にキャンピングカーを作るための部品の加工・保管の役割を担っています。ここで保管している部品を第1工場に持っていってキャンピングカーに取りつけるという流れでキャンピングカーを作っています。
また、外にはキャンピングカーのベースとなる車がずらっと並んでいました。

工場内は非常に整理されていて、部品一つ一つにナンバリングされていたりなんの部品か一目でわかるように小分けされていたりと、どこに何があるか一目でわかるよう整理されていました。

社員さんの様子

工場で働かれている方は男性がほとんどのイメージだと思いますが、VANTECH山形工場は若い女性の方が多く働かれており、活気のある職場でした。

社員さんインタビュー(工場スタッフ編)

工場長:高橋さん

――今どんな業務を担当されているか教えてください。

私の仕事は、工場を効率よく製造できるように管理することと、社員教育をメインとして仕事をしています。今は特に、キャンピングカーの知識がなくても入社したばかりの人がすぐに主戦力となれるような環境の整備、主に”業務の効率化”という部分に力を入れて取り組んでいます。

――その”効率化”するためにどんな取り組みをしていますか。

将来、年間1,200台のキャンピングカー製造を目指していくため今はマニュアル作りに力を入れています。マニュアルがしっかりしていればいるほど、作業のミスは少なくなりますし、社員が現場での指示をより正確に理解できるようになると思っています。生産ラインの効率化もそうですが、ミスを少なくすることも”効率化”の一つだと思っているので、社員の意見も聞きながらより良いマニュアルになるよう日々アップデートしています。

――この工場で働く魅力は何ですか。

キャンピングカーを1から作るということに携わることができることだと思います。大手の車メーカーだと色んな工場があってなかなか車を最初から最後まで作る過程を見ることができないかと思います。ですが、VANTECHはタイにも工場があってそこでも部品は作っていますが、この山形工場でほとんどの作業を行っています。また、キャンピングカー製造をするにあたって整備士免許が必要ないんです。何故かというと、キャンピングカーはベース車に居住空間を作るということになるので、免許がなくても製造に携わることができるんです。なので誰でも新車製造に携わることができるも魅力の一つですね。

生産管理部門:阿部さん

――今どんな業務を担当されているか教えてください。

私の仕事は、工場での生産管理を行っています。納期の管理や、製造や進捗確認、部材やベース車の入荷管理を行っています。

――苦労したことを教えてください。

人とのコミュニケーションが最初に苦労しました。工場として”効率化”というのを徹底している中でコミュニケーションが不足して、ミスが起きて生産が止まってしまうことも考えられます。今は人の特性によって話し方を変えたりと工夫して円滑になりましたが、何をどのように伝えればいいか考えながら今も非常に気を付けています。

――今はどんなことを目標に仕事をされていますか。

ロスを減らすための資材管理です、我々生産管理部門は直接的に売り上げにつながることはないのですが、利益を生み出すことは可能なんです。その利益を生み出すのは、「原価を減らす」ということです。例えば、モノの発注を多くしてしまうと、その分の管理費がかかってしまいます。逆に少なく発注してしまうと作業が進まずキャンピングカーが作れません。そうした積み重ねで会社の利益に貢献できるので、今はここの在庫管理にも力を入れて効率化を目指しています。

今年オープンの「VANTECH山形」に潜入

続いて、今年の10月にオープンしたばかりのVANTECH山形を取材。この店舗では車両の販売と合わせて、村山市のVANTECH山形工場と併設していた「VANTECHレンタカー山形」を移転してレンタルも行っています。
また、東根北インターチェンジから車で10分、山形空港から車で7分、さくらんぼ東根駅からは徒歩5分、宮城県仙台市から国道48号で1時間という交通アクセスが良い立地なのも特徴です。近くの村山市に工場もあることから、⾞両を熟知した経験豊富なスタッフのサポートもあるため、既存のお客様にも新規のお客様にもVANTECHユーザーとして東北の拠点となる店舗になります。

店舗の様子

VANTECH山形は敷地面積が約1550坪あり屋外はキャンピングカーの試走ができるほど広い場所になっています。

レンタカーの貸し出しも店舗で行っています

レンタカー受付

店舗内ではレンタカーの貸し出しも行っています。VANTECHの人気車種を購入する前にレンタルできるのは嬉しいですね!

店舗情報

店舗名:VANTECH山形
住所:〒999-3716 山形県東根市蟹沢1813−7
HP:https://www.vantech.jp/shop/web/vantech_yamagata
電話番号:0237-53-8960
営業時間:10:00~18:00
定休日:水曜日・木曜日

社員さんインタビュー(店舗スタッフ編)

レンタルスタッフ:栗田さん

――今どんな業務を担当されているか教えてください。

私の仕事はキャンピンカーのレンタルに関して、お客様への操作方法、運転方法などの説明、貸出返却の管理、キャンピングカーの清掃などを担当しています。また、レンタカー事業部としてイベントに出展することもあり、イベント来場者への料金やシステムなどの説明を行っています。

――この仕事の魅力は何だと思いますか。

一番はお客様の笑顔を一番近くで見れるところです。ファミリー層、大学生、キャンピングカー購入を検討中の方など様々なお客様がいらっしゃいます。キャンピングカーは実際に使ってみないと分からない魅力というのが沢山あるので、ほとんどのお客様が満足してレンタルを楽しまれています。そのお客様の満足そうな笑顔を返却した際に見れると仕事頑張ろうという気持ちになれます。

――社内の良いところはどんなところですか。

社内雰囲気がよいところだと思います。上司や同僚みんないい意味で距離が近いため、自分から発信する意見をしっかりと聞いてくれます。否定から入らないでいてくれる上司の皆さんの優しさが、社内の雰囲気の良さを感じ感じる主な要因なのかなと思います。

営業スタッフ:榎本さん

――今どんな業務を担当されているか教えてください。

キャンピングカーの販売を担当しています。

――今の業務を遂行するときにどんなことを心がけていますか。

一番はお客様の気持ちになるということを心がけています。購入を検討しているお客様は初めてキャンピングカーを買うという方がほとんどです。まずは自分がキャンピングカーの魅力や使い方を知らなければお客様に販売することはできないと思います。VANTECHには「キャンピングカーのレンタル」という福利厚生があるのでそれを活用しながら、お客様目線に立って魅力を自身で体感するということを行っています。

――今の業務はどんな能力が必要だと思いますか。

「柔軟に対応できる力」、「聞く力」が大切だと思っています。1,000万円以上もする車種がほとんどで決して簡単に決めれるようなものではないので、お客様からは色んなご要望があります。その意見を聞いて自分で最適な提案を見出し、その要望をできるだけ叶えてあげられるよう努力することが重要になってくるかと思います。あとは、キャンピングカーを自分自身が楽しむことも重要かもしれません。

VANTECH広報部長露木さんからメッセージ

VANTECHの広報部長でありながら採用も担当する露木さん。今回はそんな露木さんが立ち会った就活イベントに潜入しお話を聞かせていただきました。

キャンピングカー業界の魅力は、成長中の業界であるということです。コロナ以降、仕事は場所を選ばずリモートワークという制度が普及していきました。今後は移動式の美容室、キッチンカー、など様々な移動式の店も増えていくのではないかなと思っています。まだニッチな業界ではあると思いますが、アウトドア、防災など様々なシーンでキャンピングカーが注目されています。そんな業界を自分たちが作っていけるチャンスがあると思うとわくわくしませんか?また、この業界はまだまだ企業も日本の大企業と呼ばれる会社に比べると小さい会社が多いです。だからこそ1からキャンピングカーの製造に携われ、自分がキャンピングカーの業界も動かしているという感覚がすぐに体感できると思います。
私達の会社は年齢、経歴共に関係なく一緒に働く仲間を募集しています。是非、私たちと一緒にキャンピングカー業界を創っていきましょう!

VANTECH採用HP
https://www.vantech.jp/about/recruitment.html

おわりに

いかがでしたか?自動車業界で働きたい方にとってキャンピングカービルダーで働くという選択肢は非常に魅力的です。1から車を作りたい、業界を作っていきたいと考えている方は是非キャンピングカー業界で働くことも一つの選択肢として考えてみてくださいね!

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