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【ネタバレ】『シビル・ウォー アメリカ最後の日』恐怖の赤眼鏡男、「あんな役は誰も演じたがらない」 ─ 急きょ引き受けたジェシー・プレモンス

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もしも、アメリカで内戦が起こったら?分断された非常事態のアメリカ国内で、ジャーナリストたちが決死の横断を試みる『シビル・ウォー アメリカ最後の日』が公開中だ。耳をつんざくような銃声や爆撃音が臓器を叩くようなこの恐るべき映画の中で、とりわけ観客に強烈な恐怖心を植え付けるのが、“赤眼鏡の男”である。

この記事には、『シビル・ウォー アメリカ最後の日』のネタバレが含まれています。

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恐怖の赤眼鏡男、土壇場でキャスティングされた? -->

この記事には、『シビル・ウォー アメリカ最後の日』のネタバレが含まれています。

(C)2023 Miller Avenue Rights LLC; IPR.VC Fund II KY. All Rights Reserved.

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『シビル・ウォー アメリカ最後の日』では、テキサスとカリフォルニアの同盟からなる“西部勢力”と政府軍の間での内戦が激化した、終末的なアメリカの国土が描かれた。ニューヨークに滞在していた4人のジャーナリストは、14ヶ月一度も取材を受けていないという大統領に単独インタビューを行うため、ホワイトハウスを目指す。戦場と化した旅路の中で、彼らは内戦の恐怖と狂気に呑み込まれていく。

「お前はどの種類のアメリカ人だ」。リー・スミス(キルスティン・ダンスト)、ジェシー・カレン(ケイリー・スピーニー)、ジョエル(ワグネル・モウラ)、サミー(スティーヴン・マッキンリー・ヘンダーソン)の4人の道中に立ち塞がったのは、赤いサングラスをかけた武装兵。演じているのは、主演キルスティン・ダンストの私生活での夫でもあるジェシー・プレモンスだ。

この男、アメリカ人以外は認めない極右思想主義者で、有色人種たちを捕らえては片っ端から殺処分している。彼らと先に遭遇してしまっていた若きカメラマンのジェシーと、たまたま彼女と同乗していたアジア系記者のボハイ(エヴァン・レイ)は、武装した赤眼鏡の前になす術なく跪く。

死体の山を背に、機関銃を携えて静かに立つ赤眼鏡男。ジョエルたちは、おそらく“話せばわかるはず”と考えて、彼らとの交渉を試みる。笑顔を交えながら緊張をほぐそうとすると、「そうか」と赤眼鏡は微笑み、「こいつはお前の連れか?」とボハイを差す。「そうです」とジョエルが答えた瞬間、男は突如ボハイを射殺。観客を含めた全員は、ここで初めて気がつくことになる。“話せばわかる、が通用する相手ではない”と……。

赤眼鏡にとって、非アメリカ人を殺すのは、まるで害虫を処分するのと同じようなことなのだ。ジョエルは、我々はみな同じアメリカ人だと説こうとするが、そこで赤眼鏡が顔を掻きながらさらりと聞くのが、「お前はどの種類のアメリカ人だ」である。

(C)2023 Miller Avenue Rights LLC; IPR.VC Fund II KY. All Rights Reserved.

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赤眼鏡は一人一人に出身地を訪ねていき、フロリダ、ミズーリ、コロラド出身と答えたジョエル、ジェシー、リーは「100%アメリカ人だ」として見逃される。しかしその後ろでは、香港出身のトニー(ネルソン・リー)が、わなわなと身を震わせていた……。

息が詰まるようなこのシークエンスでは、ジェシー・プレモンスが極右武装兵を快演。妻でもあるキルスティン・ダンストによれば、元々は別の役者が演じる予定だったのだが、それが叶わなくなってしまったのだという。「そこで、ジェシーに聞いてみたら、私たちのために引き受けてくれたんです。私の撮影期間中、彼はアトランタで子どもたちと過ごす予定だったんです。あんな役は誰もやりたがらないから、好意で受けてくれたんだと思います」。

極限化した政治分断を生々しく描いたこの場面について、ダンストは「脚本を読んだだけでも、すごく恐ろしかった。それを2日かけて撮影するだなんて」と振り返る。「彼がこの役を引き受けてくれたことに本当に感謝しています。それに、彼は素晴らしい役者でもありますから、それがよく伝わりました」。

なお、ダンストとプレモンス夫妻は『パワー・オブ・ザ・ドッグ』(2021)でも共演している。同作では夫婦役を演じたが、今作『シビル・ウォー』では真逆の間柄。あのような強烈なシーンを演じた後、2人は同じ家に帰ってどんな会話をしたのだろう……。

『シビル・ウォー アメリカ最後の日』は公開中。

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