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山形発!バチコンアジングの魅力と奥深さを堪能! キモは糸フケのコントロール!?

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山形発!バチコンアジングの魅力と奥深さを堪能! キモは糸フケのコントロール!?

温暖化や海流の変化などで、東北地方でもアジをねらって釣れるようになってきました。ショアからのアジングはもちろん、近年、とくに盛り上がりを見せるのが船からの「バーチカルコンタクトアジング」です。そもそも、夜炊きのイカメタル釣りの延長として始まったものですが、そのゲーム性の高さから、今ではバチコンアジング船としての遊漁もあり、1つのジャンルを確立しつつあります。
今回はそのバチコンアジングの酒田での実釣の模様と、釣りのキモをお伝えします。

東北のアジング事情

元来、東北の日本海側を中心に釣れていたアジですが、近年では太平洋岸でもねらって釣れるようになってきました。今では、アジは東北全域で釣れる魚になっています。ショアからのキャスティングでねらうアジングはもとより、遊漁船では「ビシアジ」や「コマセ釣り」なども盛んになっています。なかでも、タックルをライトにしてより大型をねらう「バーチカルコンタクトアジング」の人気が上昇中です。

バーチカルコンタクト(バチコン)とは船から縦にリグを落としてねらう釣りの総称で、ねらう魚はさまざまですが、そのゲーム性の高さから若いアングラーを中心に熱く盛り上がっています。とくにバチコンのメインターゲットともいえるアジは入門しやすく、食べても美味しく、大型がねらえる点で人気です。釣りとしての難易度が特別高くないわりに一定の難しさもあり、この釣りにハマるアングラーもいるほど、注目の釣りとなってきています。

酒田でのバチコンアジング実釣の模様

前述の通り、日本海側を中心にバチコンアジングを楽しめる遊漁船も徐々に増えてきました。
そんなわけで今回は、酒田港の遊漁船「FLAP」鈴木船長にお世話になり、釣行に出掛けてきました。

FLAPさんでは速掛け賞やアジ名人などのオリジナルステッカーを発行するなど、バチコンアジングに力を入れていて、「楽しく遊ぶ夜遊便」をモットーに精力的に取り組んでいます

酒田港を18時に出船。今回のポイントは港を出てすぐのエリアで、水深は20m程度でした。船はアンカーを打って固定し、船が落ち着いたところですぐに実釣開始となりました。

まだ明るい時間帯はアジからの反応もまばらでしたが、暗くなり集魚灯を灯すと俄然(がぜん)魚にスイッチが入り、コンスタントにアタリが出始めました。アジのサイズも全体に良型で40cmを超えるサイズも出たといった具合です。

アジもやはり潮流には敏感で、「潮止まりは釣れない…」など潮汐によって食いが立ったり止まったりと活性が変化します。コンスタントにアタリを出して掛けていたアングラーは数を伸ばしましたが、アジが気難しい時間帯に手こずると、アタリの数が減少して釣れなくなりました。
どうやら、こうした渋い時間帯に上手く誘って、いかにアタリを出し続け掛けることができるかがバチコンアジングの難しさであり、楽しさでもあるようです。

アジのアタリを誘い、微かなアタリをとらえてアワセが決まると、ロッドに伝わる重量感と大型アジの小気味よいファイト。こうしたライトゲームの楽しさは、魚の大きさ関係なしに本当に楽しいものです。当日の釣りのキモは「誘い」。アジが食い渋る時間帯に効果的だったのは「ゼロテン釣法」でした。

ゼロテンは糸フケのコントロールがキモ

渋るアジを誘い、アタリを導き出す誘いはさまざまあります。なかでもゼロテン釣法はバチコンアジングに限らず、イカメタルでも効果的な誘いです。ゼロテンとは「ゼロテンション」の意味で、水中の仕掛やラインにテンションが掛からない状態を意図的に作り出し、魚を誘う釣法のことをいいます。

厳密にいえば、まったくの「ゼロ」テンションは物理的に無理かもしれませんが、それでもラインのテンションが適度に抜けてナチュラルに仕掛が漂うことで、無防備で食われやすいベイトフィッシュなどを演出することとなり、魚にはとても魅力的に映るようです。潮止まりなど食いの渋い時間帯にはとても有効な誘いとなっています。

ゼロテンのキモは、絶妙なラインテンションのコントロールにあります。テンションを抜き過ぎればアタリが伝わらず掛けるタイミングを失ってしまいますし、張りが強ければ、ショートバイトやそもそもアタリ自体が少なくなります。ロッドティップの柔らかさを活かして、「張らず緩めず」の感覚でアタリを待つのがゼロテンのキモです。

アタリを出してから掛けるまでのポイント

ゼロテン釣法の利点はアジの食い込みのよさにあります。必要以上のテンションが掛かっていないので、アジは違和感なくワームをくわえ、異物と判断して吐き出すまでの時間も長くなります。つまり、フッキング可能な時間が長くなるわけですから、アングラーには有利になります。その代わり、アタリを見逃しやすく、ときには全く視覚でとらえられないこともあります。

アタリを感じたら即アワセが基本です。アタリを見逃すといった“とらえ損ね”を考慮して、一定のゼロテン状態を演出したら空アワセで対処します。また、常にゼロテンで魚の前にリグを置いておくのはスレてしまうこともあるので、ときおりリグを巻き上げて魚の視界から仕掛を消し去り、再び誘い直すのもテクニックの一つです。ココって場面にゼロテンでアタリを出して掛けていくのが、魚を飽きさせないコツです。

デカアジねらいは小物も重要

アジも30cmを超えてくるとそのファイトはなかなか強烈です。とくにバチコンアジングでは大型アジが飛び出しますので、それなりの対応も必要になってきます。

気を付けたいのはハリです。通常バチコンアジングでは小型のジグヘッドを用いますが、ショアアジングで多用される細軸でフックサイズが小さいジグヘッドでは、ハリを伸ばされるといったトラブルが頻発します。その日の魚のアベレージにもよりますが、大型が混じるようなら、それなりの強度を持ったハリの使用をおすすめします。

ワームはレイン社のアジリンガーMID。ワームカラーも大切な要素です

もう1点、大型のアジは身も厚く重さもあります。通常使用する魚バサミ(フィッシュホルダー/フィッシュグリップ)が役に立たない場面も多く、ヒレやゼイゴなどのトゲでケガにつながることもままあります。釣りの際には、グローブと魚をしっかりと保持できるハサミの使用がおすすめです。

入門しやすく、比較的ハードルの低い釣りである「バチコンアジング」ですが、テーマを決めて取り組むと難しさや手強さもあり、その面白さにハマることは間違いありません。とくにテクニカルな釣りが好きな方は、間違いなくツボにハマると思います。タックルもイカメタル用などで代用できますので、ぜひ挑戦してみてください。

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レポーター

プロフィール:堀籠 賢志
フライフィッシング、バス、シーバス、ロックフィッシュ、フラットフィッシュ、エギング、鮎釣りまで、さまざまなジャンルを釣りこなすマルチアングラー。現在はスーパーライトからヘビークラスまでジギング全般と、メタルスッテを中心としたイカ釣りに取り組む。
東北エリアの面白い釣りを発信することで、震災復興に繋げていきたいという熱い想いのもと活動中。
GOMEXUS社フィールドテスター /tamaTV社フィールドモニター /キーストン社フィールドサポーター などを務める。
ブログ:Anglershighごめのブログ

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