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県高校総体前特集 バスケットボール男子(1)柳ケ浦 無敗継続、守備を武器に夏の頂を目指す【大分県】

オー!エス!OITA

写真/オー!エス!OITA SPORTS」

 県高校総体の前哨戦と位置付けられる南九州四県対抗バスケットボール選手権(南九対抗)の県予選は柳ケ浦が圧倒した。追随する別府溝部学園、大分舞鶴らも着実に力を付けており、夏の県王者を目指す。約1カ月後の大一番に向けて、実力校の現在地を探った。第1回は昨年から県内無敗を続ける柳ケ浦を紹介する。

 

【チームパラメーター】( )は昨年の数値

オフェンス 7(9)

ディフェンス 9(8)

リバウンド 9(9)

シュート 7(8)

スタミナ 8(8)

高さ 8(10)

 

 柳ケ浦の存在感が増している。昨年の県高校新人大会から続く無敗記録は、南九州四県対抗選手権の県予選でも継続。全5試合で失点を50点以内に抑える盤石の守備を見せつけ、「守りのチーム」としての存在感を際立たせた。

 

 特徴は明快。突出した選手はいないが、全員が献身的に守り、走り、チームのために動く。対戦相手の特性に応じて柔軟に対応しつつ、要所では相手のエースにマンツーマンで張り付き、他の4人がゾーンディフェンスで固める「ボックスワン」を用いる戦術が機能。南九対抗の県予選決勝でも高い能力を持つ相手エースや留学生を封じ、46失点に抑えた守備は、試合全体を掌握する鍵となった。

 

 課題の攻撃面だが、まだ伸びしろがある。現状のインサイドには高さ・強さの面で課題があり、得点源の確立が急務だ。そんな中、2年生の古閑蓮(こかんれん)が自信を持って放つ3点シュートは貴重な得点源となりつつある。昨年までは打つことすらためらっていたが、今は迷わずリングを狙う。「守りのチーム」に、古閑の成長が新たな可能性をもたらしている。

 

 得点源と期待される古閑蓮

 

 チーム全体としては、選手が着実に経験を積み重ねており、4月中旬には新たな留学生も合流予定。インサイドに厚みが加われば、攻撃の選択肢も広がるはずだ。注目すべきは1年生の存在である。南九対抗の県予選では登録は3人にとどまったが、メンバー外にも有望な選手がそろう。県総体までには4、5人のベンチ入りが見込まれ、選手層はより厚くなるだろう。

 

 昨年はエースシューターと2人の留学生という明確な得点源を中心としたスタイルだったが、今年は違う。誰か一人に依存することなく、複数の選手がノーマークを突き、ドライブや3点シュートで仕掛ける多方向からの攻撃へと進化している。

 

 そんなチームをまとめるのがキャプテンの田場瑶大(たばようた、3年)。派手さはなくとも、地道な守備で仲間を鼓舞し続ける姿は、柳ケ浦の精神そのものだ。県内連勝記録を更新する今、視線の先にあるのはもちろん県高校総体の頂点。その道のりに「守備」という絶対的な武器がある限り、柳ケ浦は今年も主役であり続けるだろう。

 

チームの精神的支柱となる田場瑶大

 

 

 (柚野真也)

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