東洋英和女学院大学 「バラの女王」初来校 学生の案内で国際交流
バラの栽培が盛んなブルガリアで行われたコンテストで「バラの女王」に選出されたネデリナ・ネデルチェヴァさん(18)が今月初来日し、5月12日、区内三保町の東洋英和女学院大学で学生たちとの国際交流を深めた。同大学によるとバラの女王の来日は5年振り。今回、首都圏での大学訪問は同大学のみで、バラの女王の東洋英和女学院大学訪問は初めてという。
「バラの女王」とはブルガリアで毎年開かれるコンテストの優勝者。ブルガリアは世界的なバラの産地で、バラの女王は各地でバラの魅力を発信するほか、文化交流を深めている。日本にも度々訪れていたが、コロナ禍の影響で5年振りの来日となったという。
バラがつなぐ縁
横浜市は市政100周年、開港130周年にあたる1989年にバラを「市の花」として制定。その親和性の高さから長年にわたり、バラの女王の横浜市来訪が行われてきた。
これが初来日というネデリナさんは、現在大学1年生。昨年開催されたコンテストでバラの女王に選出されている。
10日間ほどの日本滞在中、12日に東洋英和女学院大学を訪れた背景には(一社)ブルガリアンローズ文化協会(都筑区)の協力がある。同大学の専任講師・町田小織さんが同協会と連携し、今年度、駐日ブルガリア共和国大使館後援の講座の開講を予定。これが契機となり、同世代の学生同士にとっての国際理解や友好を深める機会の創出を目的に、バラの女王の来校が実現した。
弓道、振袖着用も体験
当日は同大学の教職員や学生らがネデリナさんを歓迎。互いに流ちょうな英語でコミュニケーションを楽しんだ。
学内の一室で弓道着に袖を通したネデリナさん。同大学の弓道部員・牧優佳さん(4年)の手ほどきで、弓を手に実際に矢を放つ体験をした。矢が巻藁を射抜いた瞬間、学生たちから歓声が上がり、拍手が送られた。牧さんは「説明するのは少し難しかったけれど、楽しんでいただけたようで良かったです」と話していた。
続いてネデリナさんは振袖の着付けをしてもらい、学生らと共にキャンパス内を散策。チャペルでの記念撮影なども楽しんだ。キャンパスの印象について「豊かな自然の中にある大学。木々が多くて、楽しく歩けるキャンパスですね。こういうタイプの大学はすごく好きです」と話したネデリナさん。学生たちについては「皆さんとても親切。案内をしてくれてうれしかった」と語った。
カナダへの留学などで英語力を磨いた同大学の巴涼花さん(3年)はこの日、バラの花柄のデニムを身に付けてネデリナさんを案内。「私もバラが好きなので、喜んでもらいたいと思って」服装を選んだという。交流を通じ「とても大人っぽくて、最初は少し緊張したけれど、話すうちにコミュニケーションしやすくなっていった。お互い英語が第1言語ではない。だからこそ一生懸命に話し『理解しよう』という気持ちが高まった」と笑顔を見せた。
同協会の山下文江理事長は「学生同士すぐに仲良くなっていて素晴らしい」、町田さんは「バラの女王を呼ぶことができて良かった。もっとこうした機会を増やしたい」と話していた。