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丁寧に淹れた自家焙煎コーヒーが味わえる、松浜商店街の「Cafe松ぼし」。

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丁寧に淹れた自家焙煎コーヒーが味わえる、松浜商店街の「Cafe松ぼし」。

郊外型ショッピングモールが増えたことや人口の減少などが原因で、町の中心部にある商店街ではシャッターを下ろすお店が続出しているのが現状です。その一方で、商店街を盛り上げようと新しくオープンするお店もあります。カフェとしてリニューアルした「Cafe松ぼし」もそのひとつ。落ち着いた雰囲気の店内で、オーナーの坂上さんからコーヒーやスイーツのこだわりについてお話を聞いてきました。

Cafe松ぼし

坂上 奈津子 Natsuko Sakagami

新潟市北区(旧豊栄市)生まれ。自動車メーカーや印刷会社で経理事務を経験した後、夫の両親が営んでいた和洋菓子のフランチャイズチェーン店を継ぐ。その後、自宅でコーヒーのテイクアウト専門店「Cafe松ぼし」をオープン。2022年にはイートインスペースを設け、リニューアルオープン。趣味は刺繍。

コーヒーのテイクアウト専門店からカフェへ。

——坂上さんは以前からコーヒーがお好きだったんですか?

坂上さん:飲むのはそれほど好きじゃなかったんですけど、コーヒーを淹れるのは大好きでした。主人はコーヒー好きで1日に4〜5杯は飲むので、毎日のようにコーヒーを淹れていたんです。コーヒーの香りに包まれて、ぽこぽこ膨らんでくるのを見ていると幸せを感じますね(笑)

——なんとなくわかるような気がします。

坂上さん:高校生の頃にはお菓子をつくることも好きで、パティシエになりたいと思っていました。つくったお菓子を学校に持っていって、お弁当の時間になると友達に振る舞ったりしていたんです。

——じゃあ、高校卒業後はパティシエの道に進んだんでしょうか?

坂上さん:でも堅実な仕事を望む親の反対にあってしまって、飲食とはまったく関係ない企業で経理事務の仕事をすることになったんですよ。

——それは残念でしたね。

坂上さん:ただ、結婚した夫の両親が和洋菓子のフランチャイズチェーン店をやっていて、その店舗を受け継ぐことになったんです。自分でつくったお菓子を売るわけではありませんが、とりあえずお菓子屋さんになる夢は叶いました(笑)。この場所にその店舗があったんですよ。

——「Cafe松ぼし」をオープンされた頃のお話を聞かせてください。

坂上さん:最初はガレージの奥にある窓から、コーヒーのテイクアウト販売をはじめました。少しずつお客様も増えていきましたが、ガレージとはいえほとんど屋外ですから、コーヒーを淹れる間は吹きっさらしのような寒いところでお客様をお待たせすることになるんです。冬にはストーブを置いたりテントを張ったりして防寒対策をしていました(笑)

——なかなか大変だったんですね(笑)

坂上さん:そうなんですよ。それでコーヒーを待つためのスペースをつくるついでにカフェをはじめてみようと思ったんです。

コーヒーとスイーツにこだわり、松浜の星を目指す。

——カフェスペースをつくるにあたって、こだわったことはありましたか?

坂上さん:工務店さんはスタイリッシュなかっこいいカフェにしようと考えていたようですけど、私には似合わないと思ったので木目や白を基調とした雰囲気にしていただきました。最初は私がつくった刺繍やカントリードールのコレクションをたくさん飾っていて。でも娘からマニアックすぎると注意されてしまったんです(笑)

——どんな注意をされたんでしょう?

坂上さん:可愛すぎて男性や年配のお客様が入りづらいということでした。それでカントリードールや刺繍を減らして、その代わりに観葉植物を増やしたんです。

——どんな層の方でも入りやすいようにお店づくりをされているんですね。

坂上さん:昔からヴィンテージカップも集めていたので、そうしたカップでもコーヒーを提供しているんです。ヴィンテージのなかには欠けているものもあるので、綺麗なものを選んで使うように気をつけています。

——お洒落なカップがたくさんありますね。コーヒーがより美味しくなりそうです。ではそのコーヒーについて、こだわりを教えてください。

坂上さん:小さい焙煎機を使って、こまめに自家焙煎をしています。焙煎が済んだ後はチェックして、状態のよくない豆を取り除いているんです。そうすることで味が落ちるのを防げるんですよ。豆は3日から2週間の間が美味しいとされているので、その期間に使い切るよう心がけています。

——コーヒー豆にはかなりこだわっているんですね。

坂上さん:小さな店ですから、せめてこだわりは持たないとね(笑)。アイスコーヒーは水出しで、2秒に1滴ずつじっくりと抽出しています。

——スイーツについてはいかがですか?

坂上さん:人気商品のプリンとチーズケーキは、低温でじっくり時間をかけて焼き上げています。プリンは口当たりを滑らかにするために、4回くらい漉してつくるんですよ。その他にマフィンやバウンドケーキもお楽しみいただけます。

——念願が叶って、お菓子づくりを仕事にできているわけですね。ちなみに店名の「松ぼし」ってどういう意味なんですか?

坂上さん:松浜の星になれるよう、期待を込めてつけた店名です(笑)。でも、なかなか難しいですね。

——難しい、というと?

坂上さん:松浜の人口が減ってきていて、商店街も活気が失われていますからね。地元のお客様だけではなく、地元以外からお客様に来てもらうことも考えなければならないと思っています。そのためにはどうすればいいのか考えているところなんですよ。いずれはスーパードリンクを提供したいなと思っています。

Cafe松ぼし

新潟市北区松浜本町2-11-1

025-259-2208

12:00-17:00(日曜は15:00まで)

不定休

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