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体温計の音に困っていませんか?

TBSラジオ

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今日は、まず二種類の音をお聞きいただきました。

聞いていただいたのは、体温計の測り終わりを知らせるブザー音。一つ目の音が、オムロンのMC688という、私が普段使ってるもの。そして、二つ目が、高齢の方が聞きやすいと言われる体温計の音でした。

今日は、この体温計の音に注目しました。

みなさん、体温計の音に困ってませんか?

まずは、街の皆さんに、お宅の体温計の音の聞こえ具合を聞きました。

・「聞こえます。ピピ!って。耳がいいのかな?」

・「体温計大丈夫ですね。電子レンジも洗濯機もね、今のところ。」

・「オムロンかなんか使ってんじゃないかな、俺はね。聞こえますよ。ただ、音がね、もうちょっと大きくてもいいかなと思うね。」

・「体温計は、もう体温計差してるっていうアレがあるから、集中しちゃってるから聞こえるだけで、なんかやりながらだったら多分聞こえないと思います。だから、ちょっと経って『あ、終わってる』みたいなのがあります。」

・「ちょっと苦手ですね。なんか周りがちょっとうるさいと聞こえない時があります。」

・「今、音が出てんですか?聞こえない。そうそう、だいたい3分くらい経ったら見てたから、だいたい鳴ってる鳴ってないってあんまり気にしてなかった。」

・「電源入れてちょっとちっちゃい微かな音がピ!って聞こえて、その後は終わりましたっていうのが鳴るはずなんだけど、聞き逃すことが多いです。きっと終わったんだなって言って見るくらい。

だから、ビビ!ってなんか振動みたいのがあると分かるかな、と。

小さいと思う。どこから音が出てるの?っていうのが分かれば、だから(音の出口が)上に付いてれば違うよね。で、文字が出る方を外側にしてやるから、今のこの場所だと絶対肌に当たって消してるような気がします。」

50代後半からもうすぐ90代という方まで伺いましたが、聞こえると言った人でも、集中して耳を澄ましてるから聞こえる!と答えた人が結構いたので、それを考えると、聞きにくい人の方がやや多い印象でした。

ちなみに、体温計が聞こえないという人も、その他の家電の音はちゃんと聞こえると言います。体温計がどうも聞きにくいんですね・・・。

聞きやすい集大成的なモデルの体温計! 

そこで冒頭に出てきた、聞きやすい体温計の出番なのです!!

これは、オムロンのMC681という体温計。(実は、ウチの番組のスタッフも大絶賛しています!)

開発・販売している、オムロンヘルスケア株式会社の商品開発統括部、部長の佐藤泰雅さんにお話を伺いました。

オムロンヘルスケア株式会社商品開発統括部グローバル商品設計部 部長 佐藤泰雅さん

「ブザーの音は、音圧と周波数と音色の要素があるんですね。

音圧というのはボリュームのことなんで、大きければそれだけ聞こえやすくなります。ただ、体温計というのは非常に小さい装置なので、なかなか大きな音を出すことが難しいんです。なので、音自体を大きくできないので、いかに聞こえやすさを上げるかっていうところですね。

で、周波数というのは実は年齢によって聞こえやすい音っていうのが変わって来るんですね。加齢になればなるほど、高い周波数が聞こえなくなって、低い音がより鮮明に聞こえるようになってきます。

実は、毎回新しい機種を開発するたびに、少しでも良くしようと思って、音の改善というのをこれまでずっと行ってきてます。あの小さいながらに、色んなアイデアがいっぱい詰まってます。

どうしても日常的に使うものなので、やはりそこまで値段を上げられない、というのが、作る側からすると非常に難しい。今後は、音以外に、測定が終わったことをいかに伝えるか、そういったところも取り組んでいきたいなと思ってます。」

体温計ならではの難しさがあるんですね。

音量は、電力を使えば大きくできます。簡単な話。しかし、スリムで軽い方がいいですよね?そうなると電池は小さくなり、小さい電池からは小さい電力しか取れない・・・しょっちゅう電池交換するのも不便ですしね。

そこで、現在は、音量ではなく、聞き取りやすさをあげる改良を続け、佐藤さんが、集大成とおっしゃっていたのが、MC681という機種です。

この機種は、年齢を重ねた人が最も聞きやすい2・5キロヘルツの音をしっかり出せる設計にした上で、それよりもう少し高い4キロヘルツ付近の音とを交互に鳴らすことで、より気づきやすくしたものということでした。

(実際、メーカーに寄せられる体温計に関するお問い合わせは音に関するものが多く、特に音が聞こえないというお問い合わせは一番多い、と佐藤さんもおっしゃっていました。)

体温計の難しさは、とっても身近な医療機器である、ということ。

お金をかければ色んなものを搭載できますが、日常的に使う体温計だからこそ、お値段は上げられないんです、と佐藤さん。まさに知恵と工夫で、今後も改良を続けるということでした。

社会の高齢化が進んで行く中、こういう工夫は本当にありがたいですよね。

(TBSラジオ『森本毅郎・スタンバイ!』取材・レポート:近堂かおり)

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