6月4日から10日は「歯と口の健康週間」 正しいケアで歯と口の健康を守ろう 藤沢市歯科医師会 地域保健部 宮田保之さん
健康を支える毎日の食事をとるために、大切なのが歯と口腔環境だ。6月4日(水)から10日(火)の「歯と口の健康週間」にあわせて、藤沢市歯科医師会の地域保健部担当で常務理事の宮田保之さんに、歯や口を健康に保つためのポイントや歯科医療の現場について話を聞いた。
自分の歯を健康に保つためには「まずは食事をしたら必ず歯を磨くという基本を徹底していただくことが第一」と宮田さん。食べ物が口に入ると、口の中は一時的に酸性になる。この状態が続くと虫歯(う蝕)になりやすいといい、予防には正しい歯磨きが不可欠だという。「歯磨きをしないまま、しょっちゅう間食を取ることも、虫歯の原因になりうる」と話す。
甘い飲み物にも注意
特にこれからの季節には熱中症を予防しようと、水分補給で甘いスポーツドリンクなどを頻繁に飲む人も多くなる。「砂糖の入っている飲み物を頻繁に飲むことも虫歯のリスクを高めることにつながる。甘いドリンクを飲んだ後には水を飲むなどして、虫歯になりやすい状態が続くのを防ぐことが望ましいですね」と宮田さん。
健診で早期発見を
近年では医療技術の進歩や歯に対する意識の向上などによって虫歯の罹患率は減少傾向にある一方、歯周病の患者数は増加傾向にあるという。歯周病は、歯の汚れが歯ぐきの炎症や歯を支える骨の破壊を引き起こす進行性の病気。自覚症状がないまま進行することが多く、放置すれば歯を失う原因にもつながる。
「きちんと正しい歯磨きをしていても、ストレスなどで顎に力が入りすぎて歯を食いしばってしまい、歯や歯ぐきを痛めてしまう咬合性外傷も増えてきている」と宮田さん。「歯周病の早期発見や噛み合わせ治療のためには、定期的に歯科健診を受けること、そして歯科医院での専門的なメンテナンスが重要」と改めて呼びかける。プロの目で口腔内の状態をチェックし、適切な処置を受けることが、健康な歯を保つための最善策だ。