「住宅リノベのメリット知って」改修経過を公開
空き家の増加が社会的な課題となっている中、中古住宅を改修して再生するメリットを知ってもらおうと、山手町の結城建設が昭和時代に建てられた民家をモデルハウスにリノベーションする様子を公開している。耐震金物の設置や断熱工事など段階的に現場見学会を開催。「完成前の今しか見られない状況を見学してもらえれば」と話している。
モデルハウスは同社に隣接する築48年の木造瓦葺き2階建て家屋。数年前から空き家で、同社がモデルハウスにするために購入した。今年3月には改修に取りかかる前に現況状態を公開。4月には壁材を撤去した骨組みの状態で現場見学会を開いた。改修途中の物件を公開するケースは業界で珍しく、「施工前の『ビフォー』と完成後の『アフター』を体感してもらう」(圓光昌平社長)のが目的だ。
同社によれば、おおむね30年以上前に建築された一般住宅は無断熱であることが多く、建築基準法が改正される前に建った家は耐震性も乏しい。リノベーションによって「断熱効果は3倍、耐震性は新築同様のレベルまで引き上げられる」という。また、中古住宅を解体して建て直す場合に比べて、撤去費や基礎工事費がかからない分、全体のコストを低く抑えられる利点もある。
赤穂市が2018年に実施した「住宅・土地統計調査」によると、市内には3540戸の空き家があり、その後はさらに増加しているとみられる。圓光昌平社長は「空き家は地域の『資産・資源』。活用することでSDGsにも貢献できる。築年数が古い家であっても、耐震や断熱性能を向上させ、まるで新築同様の美観で暖かく快適に暮らせることを知ってほしい」と見学を呼び掛けている。
次回の現場見学会は断熱施工後の6月下旬を予定している。問い合わせは同社TEL0791・46・3011。