上質なものを、無駄なく必要な量だけ。塩屋にできた量り売りのお店『思ん量り(おもんぱかり)』 神戸市
知れば知るほど魅力の増す街・塩屋に、また素敵なお店ができたと聞いて取材に訪れました。『思ん量り(おもんぱかり)』(神戸市垂水区)は「必要なものを必要な量だけ」買うことのできる、“量り売り”のお店です。
塩屋のちょうど真ん中辺りにある複合施設『heso.』の隣、以前お花屋さんのあった場所に今年の3月にオープンしました。
店主の青木さんは、以前から日本では当たり前である“パッケージ販売”に疑問を持っていたそうで、「必要なものを必要なだけ購入できたら」「一度しか使わないパッケージ(容器)はもったいない」と考えていました。
そんな思いを持つ中、イギリスにある『シューマッハ・カレッジ』でローカリゼーションについて学ぶ機会を得た青木さんは自身で行動を起こすことを決意。
滞在した田舎街トットネスに重ね合わせ、縁のあった塩屋の街で、量り売りのお店をオープンすることになったのだそう。
店内には卵や野菜などの生鮮食品から調味料、乾物、お米、クッキー、ハーブティー、洗剤まで、12、3種類の商品が並んでいました。
置かれている商品は、地元兵庫県産のものを中心に、青木さんが自身の目で見て選んだものばかり。品数は多くありませんが、バラエティーに富んだ“こだわり”のものたちは、ひとつひとつ、じっくりと見て選ぶ楽しみがあります。
神戸市唯一の醤油蔵『池本醤油』(神戸市西区)の濃い口醤油「櫨のむらさき」をいただくことにしました。醤油は100ml単位で購入が可能。専用の軽量カップで量り、持参した容器に入れてもらいます。
容器を持参することも同店の特徴のひとつです。プラスチック削減のため、使える容器は使い回すことを推奨。
醤油はとてもまろやかで、食材にそのままかけたり和えたりするだけでも美味しくいただけます。良い醤油は高いというイメージでしたが、100ml130円はリーズナブルではないですか?ご近所さんは、醤油さしを持って買いに来られるそうですよ。
卵やクッキーなどは1個から、その他のものは重さを量って購入することができます。
気になったハーブティーもいただきました。
お湯を注ぐと広がる鮮やかな赤い色。ハイビスカス、ローズヒップの酸味の後に香るレモングラスが爽やかで、暑い時季にぴったりです。
「早さ、手軽さが求められる時代に逆行するようなことをしていますが…」と青木さん。「フードロス、ゼロウェイスト、プラスチック削減について考え、行動するきっかけになればいいなと思います」と話されていました。
古いようで新しいスタイル“量り売り”。上質なものを無駄なく楽しめることは、とても素敵だと思いました。
ゆったりとした空気感が塩屋の街にぴったりのお店です。気負わずふらりと訪れられる雰囲気ですよ。
場所
思ん量り
(神戸市垂水区塩屋町4-10-11)
営業時間
日により異なる ※公式Instagramでお知らせあり
定休日
不定休 ※公式Instagramでお知らせあり