目の色はどのようにして決まる?【眠れなくなるほど面白い 図解 遺伝の話】
目の色は複数の遺伝子によって決められている
複数の遺伝子が「自分色」をつくる
海外のドラマや映画を見ていると、青色や緑色、淡いグレーなど、普段あまり見慣れない目の色をした俳優さんが多く登場し、その美しさに思わず釘付けになった経験はありませんか?一方で日本人はというと、濃淡の差はあれど黒色や茶色の目ばかりで、それほどに違いはありません。若者を中心にカラーコンタクトが流行しているのも個性の表現なのかもしれません。では、日本人はなぜ同じ目の色の人ばかりなのか? じつはこれも遺伝が関係しているのです。
人間の目の色は「虹彩」と呼ばれる部分に沈着したメラニン色素の量によって決まっています。メラニン色素が多いと虹彩は黒色や茶色になり、少なくなるに従って緑色、青色とより淡い色になっていくのです。このメラニン色素に影響を与えているのは15番染色体上にある「OCA2」と「HERC2」の両遺伝子と考えられていましたが、最近の研究で実際はより多くの遺伝子が関与しており、両親の目の色を見て、子どもの目の色を単純にパターン化することはできない、ということがわかってきました。かつては茶色の目が優性、青色は劣性として、生まれてくる子どもは一定の確率で茶・緑・青のどれかになるというのが定説でした。しかし最近では、両親の遺伝子が互いに影響、一人ひとり異なる目の色になると考えられています。
虹彩のメラニン色素で目の色が決まる
目の色を決める遺伝子はひとつではない
最近の研究で目の色を決める遺伝子は、「HERC2」「OCA2」だけでなく、右図のようにより多くの遺伝子が関与していることがわかってきました。これにより両親がともに青い目をしていても、青色や緑色以外の目を持つ子どもが生まれる可能性があることも判明しています。
【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 遺伝の話』著:安藤 寿康