サクラエビ秋漁解禁 初日の水揚げは昨年の2倍以上 3年間で4倍と回復の兆し
■初日の水揚げは2.3トン 記録的不漁で2018年に自主規制
静岡市でサクラエビの秋漁が始まった。初日の水揚げは昨年の2.3倍。記録的な不漁が問題となって近年は漁に制限がかけられていたが、資源は回復傾向にあるという。
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駿河湾の宝石と呼ばれるサクラエビは春と秋に2回、毎年漁が行われている。今年の秋漁は4日に初漁を迎え、静岡市清水区にある由比漁港の初水揚げは2.3トンに上った。昨年の1トンから2.3倍に増えた。
翌朝の初競りでは由比市場で1杯(15キロ)あたりの平均は7万5550円、最高で8万1900円の値が付いた。昨年と比べると、平均は1万1240円、最高は8210円安かった。
サクラエビは記録的な不漁が続いたことから、県桜えび漁業組合が2018年から資源回復を目指して自主規制を敷いた。主な産卵場となっている駿河湾の奥に保護区を設定し、漁の隻数や網を入れる回数を制限。その効果もあり、昨年の年間水揚げ量(由比港と大井川港を合わせた静岡県全体の数量)は500トンと、2018年の128トンから約4倍まで増加した。
今年は暑さが長引いて水温が低下していないため、まだサクラエビ漁の適温になっていないという。それでも、由比港漁業協同組合の宮原淳一組合長は「12月は寒くなってくると予報が出ているため、だんだんと秋漁らしくなってくる。漁は大変厳しいが、桜えびが少しずつ階段を上るように増えていると実感している」と期待を寄せる。大石達也専務理事も「今後、冬に向けて水温が安定してくると思うので、12月に向けて成果が上がるよう努力していきたい」とコメントした。
■由比漁港内でサクラエビ堪能 飲食店や直売所
サクラエビの秋漁は12月25日まで予定されており、その間は由比漁港にある漁協直営「浜のかきあげや」をはじめ、静岡市内の飲食店などで新鮮なサクラエビを味わえる。
「浜のかきあげや」の営業は金、土、日曜と祝日の午前10時から午後2時まで。生のサクラエビを贅沢に盛り付けた「生サクラエビ丼(1000円)」、サクサクでフワフワのサクラエビのかき揚げを乗せた「かき揚げ丼(1000円)」、サクラエビの釜揚げとシラスの釜揚げをふんだんに使った「由比丼(1000円)」などを提供している。
また、由比漁港内にある「由比港漁協直売所」では、生サクラエビや素干しサクラエビを販売している。自宅用だけではなく、贈り物にも喜ばれているという。
(SHIZUOKA Life編集部)