Re:minder SONG FILE「バブル時代の街鳴りヒット」今からちょうど35年前の1990年ソング
歌謡ポップスチャンネル「Re:minder SONG FILE」vol.11〜 バブル時代の街鳴りヒット 今からちょうど35年前の1990年ソング
人々の気分を表すかのように、街には陽気な音楽があふれていた時代
日本中が浮足立ち、経済が虚ろに輝いていた時代があった。バブルだ。日本が超の付くほどの好景気に浮かれていたこのバブル経済期は1986年〜1991年までの4年3ヶ月間とされており、その間、街には陽気な音楽があふれていた。WOWOWプラスが運営する『歌謡ポップスチャンネル』で5月に放送される、『Re:minder SONG FILE』はそんな時期を思い起こす「バブル時代の街鳴りヒット 今からちょうど35年前の1990年ソング」だ。この時に流行した歌の数々が並ぶ。当時を知る人も知らない人も、誰もが耳なじみのある名曲にしばし酔いしれたい。
日本国民がぴーひゃらぴーひゃらの笛の音に踊り狂っていた
オープニングはB.B.クィーンズの「おどるポンポコリン」。アメリカの人気ブルース歌手、B.B.キングをもじってつけられたグループ名で、坪倉唯子、近藤房之助らの実力派が中心となって作られたが、当初は覆面ユニットであったためメンバー名は伏せられていた。今では国民的アニメと呼ばれる存在となった 『ちびまる子ちゃん』の主題歌として大ヒット。作詞は原作者のさくらももこで、「♪ぴーひゃら ぴーひゃら」といった陽気な歌詞は、彼女ならではの感性でまさに時代の空気をとらえたものと言えよう。
続く、石井明美「ランバダ」は開放的かつ情熱的でセクシーな振り付けが特徴で、1989年にフランスのバンドKAOMAがリリースした「Lambada」のカバー。“愛と官能のダンス” という触れ込みで、男女が腰を密着させながら股間をすりあわせるエロティックなダンスとともに夜の街で流行した。
テレビで人気を博した番組から、様々な楽曲が流行
時代を象徴するドラマを次々と流行らせたフジテレビで、『教師びんびん物語』に代表されるびんびんシリーズで主役を務めたのは、田原俊彦だ。その彼が主役を演じた同じくフジテレビ系のドラマ『日本一のカッ飛び男』の主題歌となったのが「ジャングルJungle」。ブラックミュージックの色濃いサウンドをフィーチャーし、サビは “ジャンゴジャンゴー” と聞こえるのがポイントだ。
同じく人気を博したフジテレビ系バラエティ番組『邦ちゃんのやまだかつてないテレビ』で、山田邦子が横山知枝と組んでいたユニット、やまだかつてないWinkが歌ったのが「“T”intersection ~あなたに戻れない~」だ。人気絶頂のWinkのパロディで山田邦子が詞を書いており、そのWinkの楽曲を数多く手掛ける船山基紀が、自らこの歌の編曲を行っている。
男声ボーカルによる力強さが際立つ、時代を象徴する曲たち
ザ・ブルーハーツ「情熱の薔薇」は、1990年7月25日発売で、彼らが最初で最後のオリコンシングルチャート1位を獲得した作品。それから10年以上が経った2002年、中外製薬グロンサン強力内服液のCMソングにビートたけしの出演とともに起用され、より広く認知されることに。またこの曲はそれ以降もオリンパスやドコモスマートフォンなど、本人歌唱やカバーなどでたびたび起用されている。時を経ても色褪せない曲である証と言えよう。
また、冒頭の「おどるポンポコリン」と並んで、この時代を象徴する曲のひとつが、牛若丸三郎太「勇気のしるし〜リゲインのテーマ〜」だ。「♪24時間戦えますか」の歌詞は、まさによく働きよく遊ぶことこそ美徳であったバブル期のサラリーマンの生き方そのもの。三共の栄養ドリンク「リゲイン」のCMソングとして、時任三郎が牛若丸三郎太名義で発売。オリコンでは最高で週間2位を記録した。
長く歌い継がれカバーされ続ける名曲も数多く登場
サザンオールスターズ「真夏の果実」も、この時代の曲であるが、テレサ・テンを皮切りに前川清、斉藤和義、河村隆一や佐藤竹善、中西保志など国内外で30組近くのアーティストにカバーされていることもあって、バブル期の流行歌という枠を超えた名曲だ。桑田佳祐が監督を務めた映画『稲村ジェーン』の主題歌として桑田自身の作詞作曲で製作された。キーボードに小林武史が参加しており、従来のサザンの曲に比べセンチメンタルの度合いがほどよく高められている。
哀愁あるメロディと、死んでしまった彼を思う歌詞で人々の心をとらえたのは沢田知可子「会いたい」だ。ユーミンの楽曲と共に、当時は若者に大人気だったスキー場でもこの曲はよくかかっていた。作詞は沢ちひろ、作曲は財津和夫によるものだが、沢田知可子自身、実は高校時代にバスケット部の先輩を交通事故で亡くしてしまう経験をもっていたそう。しかし、これは完全な偶然で、作詞した沢はこのエピソードを知らなかったという。ロングセラーとなり最終的にはミリオンを記録、自身最大のヒット曲となった。「真夏の果実」同様、杏里や石川さゆり、岩崎宏美など、数多くの歌い手がカバーしている。
ちなみに今回紹介した曲の大半が “短冊CD” と呼ばれる縦長のCDシングルであることも、この時代ならではの特徴だ。このほかにも、渡辺美里「サマータイムブルース」、小泉今日子「見逃してくれよ!」、B’z「太陽のKomachi Angel」、山下達郎「Endless Game」など、バブルを彩った数々が予定されている。これまでも絶妙なテーマで音楽ファンを楽しませてきた『Re:minder SONG FILE』。今後のセレクトが楽しみでならない。
Information
Re:minder SONG FILE「 バブル時代の街鳴りヒット 今からちょうど35年前の1990年ソング」
ココロ躍る音楽メディア「Re:minder」がテーマを決めて珠玉のソングファイルをお届け。
▶︎ 放送局:歌謡ポップスチャンネル
▶︎ 放送日時:
2025年05月28日(水)深夜0:00〜深夜1:00
2025年06月05日(木)深夜0:00〜深夜1:00
▶︎ 今月のテーマ: バブル時代の街鳴りヒット 今からちょうど35年前の1990年ソング
♪ おどるポンポコリン / B.B.クィーンズ
♪ ランバダ / 石井明美
♪ ジャングルJungle / 田原俊彦
♪ "T"intersection / やまだかつてないWink
♪ 情熱の薔薇 / ザ・ブルーハーツ
♪ サマータイムブルース / 渡辺美里
♪ 見逃してくれよ! / 小泉今日子
♪ 勇気のしるし / 牛若丸三郎太
♪ 太陽のKomachi Angel / B'z
♪ 真夏の果実 / サザンオールスターズ
♪ Endless Game / 山下達郎
♪ 会いたい / 澤田知可子
▶︎ 番組公式ページ:Re:minder SONG FILE「 バブル時代の街鳴りヒット 今からちょうど35年前の1990年ソング」