【ウイスキー教養】詳しく解説!ウイスキーの製造工程 『製麦』
皆さんの身近にあるウイスキーは、何からできていて、どのように皆さんの手元に届くかを知っていますか。
実はウイスキーは【製麦→粉砕→糖化→発酵→蒸留→熟成→調合→瓶詰め】という8つの工程によってつくられるのです!
本記事では、最初の過程である、『製麦』について詳しくご紹介します!では、見ていきましょう!
製麦とは
ウイスキー製造の1つ目の工程は「製麦(モルティング)」です。
ウイスキーの原料となる大麦は、そのままではアルコールのもととなる糖を作ることができません!そこで大麦を発芽させることで、デンプンを糖に分解するための酵素を生成します。
この酵素は、糖がつながってできているデンプンを細かく切り離す“はさみ”のような役割を持ち、アルコール発酵を可能にします。
製麦は「浸麦 → 発芽 → 乾燥 → 除根」の順で進み、ウイスキーつくりに欠かせない大麦麦芽(モルト)が完成します。
浸麦
大麦を浸麦槽(スティープ)に入れ、水に浸して発芽可能な状態にします。浸水と乾燥を繰り返す「ウェット&ドライ」という工程が2〜3日行われ、大麦の発芽条件を整えていきます。
使用する水は蒸溜所ごとに異なり、ウイスキーの味にも影響します!
発芽
幼根が見え始めた後、大麦を発芽させて大麦麦芽にしていきます。この作業で大事なのは、発芽のスピードを均一にするため撹拌作業です。
発芽方法には「フロアモルティング」と「モダンモルティング」の2つがあります。
1.フロアモルティング
床に大麦を広げ、職人が手作業で撹拌する伝統的な方法です。手間がかかりますが、蒸溜所独自の麦芽を作ることができます。
2.モダンモルティング
機械を使い、発芽を促す方法で、大量生産が可能で安定した品質を保つことができます。
現在は、機械による大量生産が可能なモダルディングが多く採用されています。
乾燥
大麦の発芽後、乾燥することで成長を止め、保存性を高めます。
従来はキルン(乾燥塔)で石炭やピート(泥炭)を燃やして乾燥させていましたが、現在では専門業者であるモルトスターに委託することが一般的です。
特にピートを使用すると、独特のスモーキーな香りが麦芽に付加され、ウイスキーの個性を決定づけます。ピートの使用量や乾燥時間によって、香ばしさや燻製のような風味が強調されるため、ウイスキーのフレーバーはこの工程によって大きく左右されるのです。
除根
最後に、水分の再吸収を防ぐために、発芽の際に麦から伸びてきた根を取り除いてモルティングの作業は終わります。
終わりに
本記事では、『製麦』について紹介しました。大麦を発芽させることからウイスキーの製造は始まります!ここから先も、ウイスキーが出来上がるまでにはたくさんの製造過程が存在します!