全国高校選抜大会 なぎなた 個人試合3位の佐藤柚衣(大分西3年)、飛躍と次なる挑戦 【大分県】
なぎなたの全国高校選抜大会で個人試合3位、団体5位という成績を収めた大分西の佐藤柚衣(3年)。身長152センチと小柄ながら、俊敏な動きと鋭い「面」を強みに、全国の舞台で飛躍した。
小学1年で剣道を始め、同3年からなぎなたを並行して学び、翌年には一本に絞った。右中段から繰り出される面打ちは、剣道で培ったスピードを生かした武器で、全国でも通用する攻撃力を誇る。
今大会では、その強みを存分に発揮した。特に個人戦では「これまでで一番動けていた」と語るように、スピードを武器に果敢に攻めた。準決勝で敗れた相手の対応力に屈し、決勝進出はならなかったが、「自分なりにやり切った」と語る姿には、悔しさと同時に充実感も漂っていた。
全国選抜で個人試合3位、団体5位となった佐藤柚衣
自らも認めるように体力面では課題も残る。「体力がない分、早く仕留めるスタイルだと限界を感じることもあった」と振り返る。特に大会は2日間で個人・団体両方をこなす過密日程で、佐藤にとっては過酷な舞台だった。
築城理恵監督は「得意技の『面』がある一方で、それ以外の引き出しが少ない」と指摘。バリエーションが不足していることは、伸びしろがあるともいえる。「自分がやるという自覚を持ち、チームを引っ張る存在になってほしい」と期待を寄せる。
目下の目標は県高校総体を制覇し、全国高校総体出場の切符をつかむこと。「演技は苦手だけど、個人試合と団体の両方で優勝を狙いたい」と語るその言葉には、静かながらも確かな意志を感じる。「自分の手の内を見られているからこそ、それを超える技を磨いていきたい」。全国選抜での敗戦は、佐藤をさらなる高みへと駆り立てる。全国総体で再び強烈な「面」を叩き込む準備を進めている。
全国総体でさらなる飛躍を誓った
(柚野真也)