「ポエムとしか言いようがない」東京のマンションの広告コピー
大竹まことがパーソナリティを務める「大竹まことゴールデンラジオ」(文化放送・月曜日~金曜日13時~15時30分)、7月30日の放送に写真家でフリーライターの大山顕が出演した。6月に新刊『マンションポエム東京論』を発売した大山が、タイトルにある「マンションポエム」について語った。
大竹まこと「今回の御本は『マンションポエム東京論』。“空と緑の都市に咲くあだ花か、アーバンライフの幻想か。マンション広告のコピーに託された東京の正体を読む”という帯には、マンションやそういうものが怖いな、という感じも入っていますか?」
大山顕「怖いというか奇妙なものに、東京のマンションがなっていて。その奇妙さがいちばん表れているのが広告コピーで。ポエムとしか言いようがないので『マンションポエム』と名付けて今回、分析したと。そういうことです」
大竹「これがポエムだと思い始めたのはどうしてですか?」
大山「見ていただきたい思って資料を持ってきました。白金に建っているんですね、『洗練の高台に、上質がそびえる』」
大竹「わかんない」
大山「間髪入れずに(笑)。おっしゃるように、わかんない、何言っているんだ、というのを思って。これは昔からあって、集めたほうがいいぞ、と最初に思ったのはもう20年前で。20年間にわたって集め続けて分析したのが今回です。『世界へ挑む、東京。』というのもいいでしょう?」
水谷加奈「どうやって挑むんですか?」
大山「わかりません」
水谷「オリンピックみたいなこと?」
大山「さすが! 場所が湾岸で、オリンピックの会場の近くに建つんですけど、広告で『オリンピック』って公式スポンサー以外は使ってはいけない。どうにかオリンピックという言葉を使わずに匂わせて雰囲気を上げていこう、というのが漏れ出た結果、『世界へ挑む、東京。』となったんですね」
大竹「(資料を見て)別のやつは『人生に、西麻布という贈り物。』と書いてある」
水谷「贈り物、もらいたい!」
大竹「素直だな、おまえは(笑)。何言っているんだ、という感じもあるけど」
大山「僕も最初、何言っているんだ、と思って集め始めました。あまり素直ではなかったんです。でも集めていくとだんだん、マンションっていまどういうものか、東京ってどういう都市だろう、というのがちゃんと見えてくる。それが今回、書いた本の内容なんですね」