通勤手当を不正受給 60代と70代の県職員3人に「いい年なのに…」 処分に同情の声も
■70代職員2人を減給 60代職員は戒告
静岡県は3月4日、通勤手当を不正受給した県職員3人の懲戒処分を発表した。1人は60代、2人が70代とあって、県民からは「いい年なのに恥ずかしい」といった呆れる声が上がっている。
県によると、危機管理部に所属する70代の男性職員は2020年4月から2024年6月までの51か月間、バス通勤の届けを出していながら、自家用車で通勤して差額の24万3147円を不正に受給した。
同じく70代で経済産業部の出先機関に勤務する70代の男性職員は2021年4月から2024年9月までの42か月間、定期券を利用する通勤届を提出したにもかかわらず、高齢者割引制度によって低料金で電車を利用。差額の45万704円を不正受給した。2人はともに、減給10分の1、1か月の懲戒処分を受けている。
また、危機管理部の60代男性職員は2020年8月から2024年10月までの51か月間、往復でバスを利用する通勤届を出しながら、帰りは自家用車を使い、差額の2万6798円を不正に受給した。戒告処分となっている。
■「情けない」、「少し気の毒」 県民は批判と同情が交錯
今回の懲戒処分について、県民からは批判や同情の声が上がっている。処分対象者が60代と70代で高齢だったことから「いい年なのに恥ずかしい。税金でまかなっていることを自覚してほしい」、「不正受給は横領みたいなもの。長く生きているにもかかわらず情けない。発覚したら返納して済む問題ではない」といった厳しい意見があった。
一方、理解を示す県民もいる。通勤自体はしているため、「自家用車を使っても同じくらいの費用がかかるのではないか。処分は少し気の毒」、「70代を雇わないといけないくらい県職員の人手が不足しているのだろうか。70代で不正受給してまで生活費を捻出しようとしていたのであれば、同情してしまう」などの声もあった。
3人のうち2人は2024年7月の調査で発覚した。この調査は通勤手当の不正受給を受けて実施していた。今回処分を受けた職員全員が、不正受給した通勤手当を返納する考えだという。
(SHIZUOKA Life編集部)