本を読まない割合が過去最多62% 読書減少の理由3位は視力、2位は多忙 1位は?
■紙からネットへの移行が顕著に 読書しない割合初めて半数超
文化庁が2023年度の国語世論調査を発表した。1か月に読む本の冊数について、「読まない」の回答は62.6%と初めて半数を超えた。読書量の減少は、スマートフォンやパソコンなどで情報を集める人が増えている背景がある。
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国語世論調査によると、1か月に読む本の冊数は昨年度から大幅に減った。「読まない」が62.6%で、前年度から15.3ポイント増加。過去の調査では4割台が続いていたが、一気に数字が伸びた。3冊以上の回答は1割ほどにとどまっている。
読書量に関する設問では「減った」の回答が全体の69.1%を占めた。「変わっていない」は24.5%、「増えた」は5.5%となっている。
ただ、読書の減少は活字離れと直結しているとは言えない。月に1冊も本を読まない人のうち、インターネット上の記事やSNSで活字による情報を得ている頻度は、「ほぼ毎日」が75.3%に上る。つまり、情報収集の手段が書籍や新聞といった紙からウェブに移行している実情がはっきりと数字に表れた。
■読書量減少の理由 1位は「情報機器の時間」
読書量が減っている理由も、トップは「スマートフォンなどの情報機器で時間が取られる」で43.6%に上った(2つまで回答可能)。2位は「仕事や勉強が忙しくて時間ない」で38.9%、3位は「視力など健康上の理由」で31.2%となった。
月に1冊以上本を読む人を対象にした設問では、書店で手に取って購入する割合が57.9%と最も高かった(2つまで回答可能)。ただ、前年度の66.7%を下回り、年々減っている。2番目に多かった「インターネットの利用」は33.4%で前年度の27.9%から上昇し、増加傾向にある。次いで、「図書館や図書室で手に取って選ぶ」が25.0%、「広告を参考にする」が14.7%だった。
また、電子書籍の利用も増えている。「よく利用する」と「たまに利用する」を合わせた割合は40.3%で、前年度から25.1ポイント増加。中でも30代は72.4%、20代は65.1%と高い。
文化庁による「国語の関する世論調査」は日本人の国語に関する意識や理解の現状を調査するもので、昨年度は1月16日から3月13日まで郵送で実施された。調査対象は6000人で有効回答数は3559人(有効回答率59.3%)だった。
(SHIZUOKA Life編集部)