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ズーカラデル 代表曲「友達のうた」をモチーフにした短編映画『冬の朝』最速上映会レポート

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映画『冬の朝』場面写真

短編映画『冬の朝』~ズーカラデル "友達のうた"より~最速上映会
2025.3.12 北沢タウンホール

バンド結成10周年の第1弾シングルとして初音源化され2月19日(水)に配信リリース、ズーカラデルが長年にわたってライブで歌ってきた「友達のうた」。この曲が原作の短編映画『冬の朝』の最速上映会が、3月12日(水)に東京・北沢タウンホールで開催された。オリジナル脚本を手掛けた映画監督・今泉力哉、出演した俳優・佐々木詩音、内堀太郎、ズーカラデルの吉田崇展(Gt,Vo)、鷲見こうた(Ba)、山岸りょう(Dr)のトーク、弾き語りライブも行われたこのイベントの模様をレポートする。

イベントは短編映画『冬の朝』の上映からスタート。ネタバレを避けるためにストーリーの詳細に触れるのは最小限にとどめるが、本作に登場するのは2人の男性と1人の女性。3人が過ごす楽しいようでいてどこか気まずさもある一夜を通じて「友達」という関係性に含まれる余白、そこから生まれる風景を描いた作品に仕上がっている。映画を製作するにあたってイメージしたことを今泉監督は上映後のトークで次のように語った。「“MVではなくて曲をモチーフにしたショートムービーを作っていただけませんでしょうか?”というお話を頂いたんです。「友達のうた」はバンドメンバーとお客さんとの関係、“友達って何なんだろう?”という曲ですけど、聴いた時に3人の気まずい時間が頭に浮かびました。1個の正解になるものじゃなくて、“ある人が聴いているこういう場所があるのかな?”“この曲が心の中で流れているこういう場所があるのかもしれない”ということを思って作っていきました」。

曲を題材としたストーリーが生まれたのは、メンバーにとっても刺激的な体験だったようだ。「脚本を頂いて読んだ時に生々しい言葉の数々に結構面喰らいまして(笑)。MVでは表現しきれないような人間の言葉が持つ強さとか、そういうものを感じました」(吉田)。「この曲をずっとライブハウスで演奏してきて、景色としてそういう場所が頭の中にあったんですけど、映像化していただいたことで、今までに自分が聴いてこなかった形で捉えることができるようになりました」(鷲見)。「観ている中でずっと映画に没入していって、自分たちの曲をもとに作っていただいたというのを半ば忘れていました」(山岸)――鑑賞した直後の余韻に浸りながら、彼らはとても嬉しそうに感想を語っていた。

「自分が出ているシーンを観るのは疲れるというか(笑)。さっき、観ながら身体が硬直してしまいました」(内堀)。「印象的だったシーンは、僕が映っていないシーンです(笑)」(佐々木)――印象的だった場面に触れる中で、照れくさそうにしていたキャストの2人。「作品に描かれていないことを想像したくなるようなシーンがありました」――鷲見が独自の解釈を語ると、今泉監督は「一番のいいお客さん(笑)。映画のストーリーの始まる前と、終わった後のことも想像してもらえるのは嬉しいです」と感心していた。登場人物のセリフはもちろん、沈黙、間、カメラワークが醸し出すムード、流れる音楽によっても様々な印象と解釈が生まれるのが本作だ。3月19日(水)20時よりズーカラデル公式YouTubeチャンネルで全編が期間限定で公開される旨が発表されている。「友達のうた」を何度もライブで聴いてきたファンにとっても新たな魅力を発見できる機会となるはずだ。

「また改めて観ていただけたら嬉しいですし。周りの人におすすめして、良い感想も悪い感想も伝えていただけたらと思っています。「友達のうた」のMVも素敵ですし、楽曲も素敵なので、短編映画と併せて楽しんでください」(今泉監督)。「大事に歌ってきて、バンドとしても一生懸命にやってきたんですけど、この曲が持っている景色、内包しているものは自分たちの演奏だけでは全てにはならなかったと思うんです。みなさんがそれぞれの場所で聴いたり、『冬の朝』を観ていただくことで新しい「友達のうた」の像が出来上がっていくんだろうなと。それが楽しみです。自分の中でも変わっていくんだろうなと思っています」(吉田)――2人の言葉でトークが締めくくられた後は弾き語りのコーナーへ。ステージの中央に置かれた椅子に腰かけて「春風」を歌い始めた吉田。アコースティックギターの音色で彩られながら温かな歌声が客席の隅々にまで広がっていった。「登場人物のあの3人に想いを寄せて演奏してみようかなと思っていました」という言葉が添えられた「筏のうた」。映画のシーンを思い出させてくれた「友達のうた」。そして最後に披露されたのは「漂流劇団」。普段のライブとは趣きの異なる場所でのライブを観客はじっくり堪能していた。

ズーカラデルは現在、千葉・埼玉・奈良・長野・三重の5箇所を巡るツアー『Knockin’ On Hell’s Door』の真っ只中。4月29日(火・祝)に開催される『rockin’on presents JAPAN JAM 2025』、5月5日(月)に開催される『VIVA LA ROCK 2025』への出演も予定されている。バンド結成10周年を迎える今年もアクティブな活動を繰り広げてくれそうだ。

取材・文=田中大 撮影=オバタチヒロ


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