はじめての会社の辞め方～退職願と退職届、辞表の違いから退職代行サービスまで
会社を辞めたいと思ったとき、多くの人が「いつ辞めるべきか」「どう伝えればいいのか」と悩みます。退職は人生の大きな転機であり、準備なく進めると後悔することもあります。この記事では、後悔しない退職の始め方について、タイミングや必要な準備をご紹介します。
退職を考えるべきタイミング
退職を考えるタイミングは人それぞれですが、以下のような状況に当てはまる場合は、真剣に検討する時期かもしれません。
心身の健康に影響が出ている
成長機会がなく、スキルアップできない
職場の人間関係に大きなストレスを感じる
ライフステージの変化（結婚、出産、介護など）に現在の働き方が合わない
より良い条件のオファーを受けた
ただし、一時的な感情で判断するのではなく、客観的に自分の状況を見つめることが大切です。
退職前に準備すべきこと
財政面の準備
退職後すぐに次の仕事が決まっていない場合、生活費の確保が最重要です。
最低3〜6ヶ月分の生活費を貯金しておく
退職金の有無と金額を確認する
失業保険の受給条件と金額を調べておく
クレジットカードやローンの支払い計画を立てる
次のキャリアの準備
転職活動を始める（在職中に始めるのがベスト）
必要なスキルアップのための学習を始める
転職エージェントへの登録
履歴書・職務経歴書の準備
社会保険関連の手続き
退職後に必要となる手続きをリストアップしておきましょう。
健康保険（国民健康保険への切り替え）
年金（厚生年金から国民年金への切り替え）
雇用保険（失業給付の手続き）
住民税の支払い方法の確認
退職の伝え方とタイミング
退職の伝え方
直属の上司に直接伝える
退職理由は簡潔かつポジティブに（「キャリアアップのため」「新しい挑戦のため」など）
感謝の気持ちを伝える
引き継ぎに協力する姿勢を示す
退職を伝えるタイミング
一般的には1ヶ月前が慣例ですが、業種や企業文化によって異なります。就業規則で確認しましょう。責任ある立場の場合は、より早めに伝えることが望ましいでしょう。
繁忙期や重要プロジェクトの真っ最中などは避け、可能な限り迷惑がかからないタイミングを選びましょう。
退職代行サービスとは
退職代行サービスは、退職したいと考えている労働者の代わりに、退職手続きや意思の伝達を代行してくれるサービスです。退職に関する手続きや連絡を自分で行うことが難しい場合に、その手間や心理的負担を軽減する目的で利用されます。このサービスは日本で近年急速に普及しており、特に働き方や人間関係の問題で悩んでいる人たちから高い需要があります。料金の相場は、会社に「退職の意思」を連絡する範囲の一般的な退職代行業者は約2万～5万円で、給与未払い請求や法的対応が必要な場合は、法的資格のある弁護士が運営するサービス（約5万～10万円）に依頼する方が良いでしょう。
退職届、退職願は提出する必要があるの？ 辞表との違いは？
退職届、退職願は必ずしも法律上提出が義務付けられているわけではありません。以下にその必要性や違いについて解説します。
退職届と退職願、辞表の違い
退職届:労働者が退職の意思を会社に一方的に通告する文書です。一度提出すると原則として撤回できません。すでに退職が確定している場合や強い意志を示したい場合に使用されます。
退職願:会社側に退職を「お願い」する文書であり、会社の承諾があるまでは撤回が可能です。円満な退職を希望する際や交渉の余地を残したい場合に適しています。
辞表：高い役職や立場にある人、管理職や公職に就く人が辞職の意思を伝えるために使用します。一般的な社員の場合はほぼ使いません。
退職願・退職届の書き方
［退職願］
1.宛名: 会社の代表者（通常は社長）を指定します。
2.タイトル: 「退職願」と明記します。
3.本文:
•退職の意思を伝える。
•退職希望日（※会社の合意次第で調整可能）。
•お礼や感謝の気持ちを簡潔に記載。
4.記名・捺印: 自分の氏名を記入し、必要なら押印します。
［退職届］
1.宛名: 会社の代表者（通常は社長）。
2.タイトル: 「退職届」と明記。
3.本文:
•退職の意思（確定事項として記載）。
•退職日を明確に指定。
4.記名・捺印: 氏名と押印（必要に応じて）。
口頭で意思表示をするだけでも、辞めることはできる
法律では、退職届や退職願の提出は義務付けられていません。労働者は口頭で意思表示をするだけでも、一定期間後に労働契約を解除できます。ただし、書面で提出することで「言った言わない」のトラブルを防ぎ、円滑な手続きを進められる可能性は高まります。また、多くの企業では就業規則で退職届の提出を求めている場合があります。円満退社を目指すなら就業規則を確認し、それに従うことが推奨されます.
退職後のメンタルケア
退職後は予想以上に精神的な変化があることも。「燃え尽き症候群」や「虚脱感」に備えて：
退職後の生活リズムを計画しておく
趣味や運動など気分転換できる活動を取り入れる
友人や家族との時間を大切にする
必要に応じて専門家（キャリアカウンセラーなど）に相談する
まとめ～計画的に進めることで後悔のない退職を
退職は人生の新しいスタートになる可能性を秘めています。不安もありますが、適切な準備と前向きな姿勢があれば、より充実したキャリアや生活につながるでしょう。
財政面の準備、次のキャリアの見通し、必要な手続きの確認など、計画的に進めることで後悔のない退職を実現できるはずです。