京王電鉄、井の頭線で自動運転の実証試験 3月中旬から
京王電鉄は、井の頭線全線において自動運転(ワンマン運転)の実証試験を3月中旬から開始すると発表した。試験では、自動運転設備を搭載した1000系車両を回送列車として走行させ、安全性や安定性を確認する。
運転士と車掌が乗務した状態で、昼夜を通して試験を実施。当面は、この車両が営業運転に使われる際、運転士が手動で運転する。
少子高齢化や働き方改革を背景に、鉄道業界では省人化や運行の効率化が求められている。京王電鉄ではすでにホームドアの設置や自動列車制御装置(ATC)の導入を進めており、今回の実証試験もその一環として実施される。
自動運転システムは、ATCの指示に基づいて加減速を制御し、乗り心地の良い運転を実現する。また、駅の定位置に正確に停車する定位置停止制御(TASC)を備え、ブレーキ制御機能も従来の7段階から28段階に細分化されることで、より滑らかな減速が可能となる。
さらに、車内案内システムも刷新され、多言語対応の表示器が導入されるほか、開いているドアをチャイム音で知らせる装置も設置される。外観面では、自動運転対応車両であることが識別できるよう、アクセントラインやシンボルマークを追加し、乗務員室と客室の仕切り窓を一部拡大することで、子どもが前面展望を楽しめるようにも配慮する。
京王電鉄は、今回の試験を通じて技術革新を促進し、利用者の利便性向上や省エネ運転によるCO2排出量削減を目指すとしている。今後、順次試験編成を増やしながら、自動運転の本格導入に向けた検証を進めていく方針だ。
<参考・引用>
京王電鉄「3月中旬から自動運転(ワンマン運転)の実証試験を開始します」
Publisher By おたくま経済新聞 | Edited By おたくま編集部 | 記事元URL https://otakuma.net/archives/2025031004.html