あなたは何曲知ってる? 1980年代トップアイドルの “冬ソング” をふんだんに楽しもう!
歌謡ポップスチャンネル「Re:minder SONG FILE」vol.6〜 80年代アイドル冬ソング
歌謡ポップスチャンネルで好評放送中の『Re:minder SONG FILE』。その第6弾 “80年代アイドル冬ソング” が2025年1月2日、深夜 2時より放送される。松田聖子、河合奈保子、中森明菜、小泉今日子といった80年代のトップアイドルたちの冬の名曲がふんだんに楽しめる内容になっている。
1980年デビュー組、冬の名曲が勢揃い
まずは、1984年にシングルヒットとなった松田聖子の冬ソング「ハートのイアリング」。作詞はもちろん松本隆、作曲のHolland Roseは佐野元春のペンネーム。クラシカルな大村雅朗のアレンジを得て、それまでにない雰囲気の壮大かつ洒落た作品が完成した。雪景色の冬の夜にこれだけ合うアイドルポップスはほかに見当たらない。
松田聖子と同期の1980年デビュー組では、当初からライバルとされていた岩崎良美が、デビューした年の12月に出した「I THINK SO 」も冬の季節の名歌として記憶される。さらに松田聖子とはレーベルメイトでプライベートでも仲が良かったという浜田朱里の3枚目のシングルにあたる「青い花火」。花火といえば夏の風物詩だが、ここでは観念的な表現として使われており、リリースも真冬の1981年1月であった。河合奈保子はローテーション的に12月発売のシングルが多く、中でもストレートな冬ソングの傑作に挙げたいのが、売野雅勇 × 筒美京平コンビによる1984年の作品「北駅のソリチュード」である。
1981年初秋にデビューした伊藤つかさは、デビュー曲「少女人形」に続くセカンドシングル「夕暮れ物語」も優れた冬ソングだったが、翌1982年11月にリリースされた5枚目のシングル「横浜メルヘン」も甲乙付けがたい。南こうせつ、加藤和彦、原由子ら錚々たる作家陣が楽曲提供する中、これは庄野真代の作詞、小泉まさみの作曲による作品。切ない詞曲と儚げなボーカルが絶妙で、後半で少し明るみを増す展開もいい。
花の82年組、シブがき隊「Gジャンブルース」 は1982年10月に出された「ZIG ZAG セブンティーン」のB面曲だったが、やがて人気が出て両A面となった。“真冬の街角” などというフレーズも織り込まれた正真正銘の冬ソングは、加山雄三主演のドラマ『女7人あつまれば』に出演していた彼らが歌手デビューするという設定で、そのデビュー曲として劇中で歌われていたのが印象深い。
1982年組最強女性アイドルの中森明菜と小泉今日子の冬ソングは?
共に『スター誕生!』で見い出された1982年組最強女性アイドルの中森明菜と小泉今日子。一般的にはあまり知られていないかもしれないが、中森明菜には「白い迷い(ラビリンス)」という冬の名曲がある。デビュー曲「スローモーション」を手がけた来生えつこ × 来生たかおの姉弟コンビに、その後の「セカンド・ラブ」の延長線上にあるようなシングル曲をと依頼されたものであったらしい。
しかし、結局は1984年10月リリースのアルバム『POSSIBILITY』に収められた。代わりに来生たかお自身がセルフカバーしてシングルリリースしたのは、楽曲を気に入っていた証拠だろう。小泉今日子「木枯しに抱かれて」はアルフィー高見沢俊彦の作詞・作曲による20枚目のシングルで、アイドル冬ソングを代表する作品のひとつとなっている。1986年11月リリース。
冬のアイドルソングを語る上で絶対に欠かせない傑作は?
荻野目洋子「北風のキャロル」が際立った冬ソングだ。売野雅勇の詞に登場するB埠頭は横浜の本牧埠頭の一部である。六本木や湾岸道路など、彼女の作品には具体的な場所が舞台となった曲がよく見られる。デビュー4年目となる1987年10月に出されたシングルだった。
1982年組に劣らぬ新人豊作年となった1985年組からは南野陽子。彼女に冬うたが多いのは、クリスマスがフィーチャーされた冬のアルバムがいくつかあるからだろう。その中のひとつ、1988年12月リリースの『SNOWFLAKES』に収録された「リフトの下で逢いましょう」はスキー場で繰り広げられるラブソング。前年冬に公開されて大ヒットした映画『私をスキーに連れてって』の影響もあるかもしれない。アルバム曲ながら、フジテレビ系音楽番組『夜のヒットスタジオ』でも披露されたことがある。
1985年組の中でも異色の存在だったおニャン子クラブからは、メンバーのソロデビューやユニットデビューが相次いだ。ソロデビュー3番手となった新田恵利のデビュー曲「冬のオペラグラス」も冬のアイドルソングを語る上で絶対に欠かせない傑作である。どうしても彼女の個性的な歌唱ばかりが取り沙汰されるが、澄みきった冬の情景を想起させる佐藤準の曲とアレンジは出色の出来映え。1986年の元日リリースだったことも強く記憶に残っている。
松本隆 × 筒美京平コンビの学園ものを踏襲した佳曲
トロリンこと西村知美は1986年デビュー組。「想い出の冬休み」 は1987年11月にシングルリリースされ、翌月に出されたアルバム『ウィンター・ワンダーランド』にも収録された。松本隆 × 筒美京平コンビの学園ものといえば、斉藤由貴「卒業」を思い出さずにはいられないが、これもその路線を踏襲している佳曲だ。
1985年12月にレコードデビューした少年隊も同期にあたる。「じれったいね」は昭和の最末期、1988年11月に発売され、翌月には「続・じれったいね」もリリースされた。少年隊の冬うたといえば、1998年長野オリンピックのイメージソングとなった「湾岸スキーヤー」がよく知られるが、それは平成の話になる。その頃はアイドルよりも “あの冬ソングの女王” が大活躍を見せていた時代であった。
Re:minder SONG FILE「80年代アイドル冬ソング」
ココロ躍る音楽メディア「Re:minder」がテーマを決めて珠玉のソングファイルをお届け
▶︎ 放送局
歌謡ポップスチャンネル
▶︎ 放送日時
2025年1月2日(木) 深夜 2:00〜深夜 3:00
▶︎ 今月のテーマ「80年代アイドル冬ソング」
♪ ハートのイアリング / 松田聖子
♪ I THINK SO / 岩崎良美
♪ 青い花火 / 浜田朱里
♪ 北駅のソリチュード / 河合奈保子
♪ 横浜メルヘン / 伊藤つかさ
♪ Gジャンブルース / シブがき隊
♪ 白い迷い(ラビリンス)/ 中森明菜
♪ 木枯しに抱かれて / 小泉今日子
♪ 北風のキャロル / 荻野目洋子
♪ リフトの下で逢いましょう / 南野陽子
♪ 冬のオペラグラス / 新田恵利
♪ 想い出の冬休み / 西村知美
♪ じれったいね / 少年隊