「ひとえに円安・デフレの弊害ですよね」訪日外国人旅行者数、5月過去最多369万人
6月19日の「おはよう寺ちゃん」(文化放送)では、木曜コメンテーターで京都大学大学院教授の藤井聡氏と寺島尚正アナウンサーが、2025年5月の訪日客数に関するニュースについて意見を交わした。
藤井氏「しっかりとコントロールして抑制していくという方向を政府に打ち出してもらいたい」
5月の訪日客数は369万3300人で前年同月と比べて2割以上増え、5月では過去最多となった。韓国との間での新規就航や中国との間での増便などが寄与したとみられる。
1月からの累計は1814万100人で年4000万人を上回るペースで推移している。
訪日客が年4000万人を超えると過去最多となるが、トランプ米政権の関税政策による世界経済の変調懸念などもあり、先行きは見通しづらくなっている。足元の円相場は1ドル=144円前後と2024年冬と比べて円高方向に進み、百貨店の免税品売り上げが減少傾向にあるという。
寺島アナ「訪日客のこの動きですが、藤井さんはどうご覧になりますか?」
藤井氏「ひとえに円安の弊害、デフレの弊害ですよね。デフレ且つ円安ですから、日本の物が急激に安くなってきて、たくさん来てしまっているという状況ですけれども。輸出が伸びる分には何の迷惑でもなくて、我々が作った物が船で運ばれて向こうで沢山売れるということだから、お金だけがやってくるので良いわけですけど、4000万人来られると、彼ら歩いたり座ったり寝たり食べたりするんですよね。だから、彼らに対してサービスを提供しなきゃいけなくなってるわけで、余っているものだったら別にいいんですけど、余ってないところに過剰に来られているわけ。たとえば京都なんか文字通りそうですからね。かくして観光公害ということが起こっているわけですから、これは非常に迷惑な話ですよね。本来はある程度どこかで抑制していくことを考えていかないといけないわけで。で、彼らは税金を払っていないですから、消費税以外はまともに。まぁ一部、払っているものもあるんでしょうけど。にも関わらず、タダで日本の公共サービスを利用しているわけですよね。軍隊から道路から鉄道から、全部使っているわけでしょう。それはタダ乗りをされているっていう状況ですから、主権がないわけですよ、向こうには。我々には主権があるので。ですから、これはしっかりとコントロールして抑制していくという方向を政府に打ち出してもらいたいですよね」
寺島アナ「えぇ」
藤井氏「ところが日本は、内政は外務省が牛耳っていますから、内需が伸びないわけですよ。だから政府はしょうがないから、それでも経済成長したいっていうので外需を伸ばすって言っているんですけどね。3%ずつ成長したいわけですよ、日本は。内需は3%ずつ伸ばせられるんですよ、僕らが買う物が3%ずつ高くなったりしていけばいいんだから。外国人の外需、3%ずつ増やすって……しかもそれだけで増やそうとするんだったら、めっちゃ増やさなアカンわけですよ。(訪日客)4000万人だったら来年6000万人とか、それで9000万人とか1億人とか(笑)。無理やっちゅうねん、っていう話ですよ」
寺島アナ「どうなっちゃうんだ、っていうね?」
藤井氏「だからインバウンドで成長とか常軌を逸しているわけですよ。そんなんダメ。日本が日本人のために作った国家、システムなわけですから、余っていたら外国人の方に使っていただいていいけど、余ってないのに来られても困るわけですよ。来るな、っちゅうことですよね」